編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Holman RR, Thorne KI, Farmer AJ, Davies MJ, Keenan JF, Paul S, Levy JC, 4-T Study Group: Addition of biphasic, prandial, or basal insulin to oral therapy in type 2 diabetes. N Engl J Med 2009; 361: 1716-1730. [PubMed]

最大用量の経口血糖降下薬を用いても十分な血糖コントロールが得られずインスリン療法を開始する場合,最初にどの製剤を用いるかについては常に議論があった。
まず,基礎インスリンを補充して,不十分であれば食前に超速効型インスリンを追加するという,現在主流になりつつあるインスリン療法の有用性について,本研究は有効性と安全性の両面から客観的な根拠を示した。【景山 茂

●目的 最大耐容量のmetformin(ビグアナイド)およびスルホニル尿素(SU)薬投与下で血糖コントロール不良の2型糖尿病患者において,二相性インスリン,食前インスリン,基礎インスリン併用の有効性および安全性を比較した。
一次エンドポイントはHbA1c値。二次エンドポイントは低血糖を伴わないHbA1c値≦6.5%の患者の割合,体重増加,自己測定血糖プロファイル,第二インスリンを必要とした患者の割合,アルブミン-クレアチニン比,QOL。
●デザイン 無作為,オープンラベル,多施設(58施設:アイルランドおよび英国)。
●試験期間 登録期間は2004年11月1日~2006年7月31日。追跡期間は3年。
●対象患者 708例:最大耐容量のmetforminおよびSU薬を4ヵ月以上投与下で血糖コントロール不良(HbA1c値7.0~10.0%)の2型糖尿病患者。平均61.7±9.8歳。
登録基準:≧18歳,罹病期間≧12ヵ月,インスリン未投与,BMI≦40kg/m²。
除外基準:チアゾリジンジオン系薬剤または3種類の経口血糖降下薬の投与歴。
●方法 二相性インスリン群(aspartを1日2回:235例),食前インスリン群(aspartを1日3回:239例),基礎インスリン群(detemirを1日1回就寝時[必要に応じて2回]:234例)にランダム化。
最初の1年は高血糖が許容できない場合,以降はHbA1c6.5%の場合,SU薬を第二インスリン薬に変更(二相性インスリン群では昼食前インスリンを追加,食前インスリン群では就寝時の基礎インスリンを追加,基礎インスリン群では食前インスリンを追加)。
●結果 HbA1c中央値は,二相性インスリン群7.1%,食前インスリン群6.8%,基礎インスリン群6.9%であった(p=0.28)。
HbA1c値≦6.5%の割合は,二相性インスリン群(31.9%)で,食前インスリン群(44.7%)または基礎インスリン群(43.2%)よりも有意に低かった(それぞれp=0.0006,p=0.03)。
第二インスリンを必要とした患者の割合は,それぞれ67.7%,73.6%,81.6%であった(p=0.002)。
患者1例あたりの年間低血糖発生率(中央値)は,それぞれ3.0件,5.7件,1.7件であった(p<0.001)。
体重増加は食前インスリン群で多く,有害事象は3群で同等であった。
●結論 2型糖尿病患者において,経口薬に基礎または食前インスリンを追加した場合のHbA1cコントロールは,二相性インスリンを追加した場合よりも良好であった。