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Liebl A, Prager R, Binz K, Kaiser M, Bergenstal R, Gallwitz B; PREFER Study Group: Comparison of insulin analogue regimens in people with type 2 diabetes mellitus in the PREFER Study: a randomized controlled trial. Diabetes Obes Metab. 2009; 11: 45-52. [PubMed]
2型糖尿病のインスリン療法は,内因性インスリン分泌の不足分を注射で補うものである。今回のスタディでのインスリン投与量は0.6~0.7U/kg/日と,2型糖尿病としては大量であった。血糖応答値は改善したが,6ヵ月での体重増加は2.1~2.4kgであった。1例1例の病態に合ったインスリン投与方式,投与量を選択すべきであり,かつこれらは刻々と変動するものであることを理解すべきであろう。【河盛隆造】
●目的 | 経口血糖低下薬(OAD)でコントロール不良の2型糖尿病患者において,2種類のインスリン療法の有効性および安全性を比較した。 一次エンドポイントはHbA1c値。 |
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●デザイン | 無作為,多施設(欧州3ヵ国),intention-to-treat解析。 |
●試験期間 | 試験期間は26週。 |
●対象患者 | 719例:OAD治療下で血糖コントロール不良の2型糖尿病患者。 登録基準:罹病期間≧6ヵ月,BMI≦40kg/m²,1~2剤のOAD治療下でHbA1c値7.0~12.0%。 除外基準:OADを3剤以上使用,過去6ヵ月間に速効型または混合型インスリン(レギュラーまたはアナログ)を7日以上使用,6ヵ月以内のレーザー治療を要した増殖性網膜症または黄斑症,6ヵ月以内の即時治療を要する肝または腎機能障害または心疾患。 |
●方法 | OADは投与を中止し,基礎-ボーラス療法(IDet/IAsp)群541例,二相性aspart30(BIAsp30)群178例にランダム化。 ・IDet/IAsp群:1日1回のdetemir+食事時のaspart。 ・BIAsp30群:1日2回の30%超速効型aspart。 |
●結果 | HbA1c値の低下度は,IDet/IAsp群-1.56%,BIAsp30群-1.23%であった(群間差:-0.23%,p=0.0052)。HbA1c値≦7%を達成したのは,それぞれ60%,50%であった。試験前に基礎インスリン治療を受けていた症例では,HbA1c値の低下度はIDet/IAsp群で有意に大きかったが(-1.21 vs -0.75%,p=0.0129),インスリン未投与例では,有意な群間差は認めなかった。 重大な低血糖の発現は,IDet/IAsp群の5例(0.9%)のみであった(11件)。軽度低血糖の発現は両群で同等であった。 インスリン用量は両群ともに増大した。IDet/IAsp群では,昼食時のaspartの割合が増大し,87%がdetemirは1日1回であった。 |
●結論 | OAD治療下でコントロール不良の2型糖尿病患者において,基礎-ボーラス療法は二相性インスリン療法よりも,HbA1c値の低下度が大きかった。この効果は,試験前に基礎インスリン治療を受けていた症例では認められたが,インスリン未投与例では認めなかった。 |
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