編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Dormandy JA, Betteridge DJ, Schernthaner G, Pirags V, Norgren L; PROactive investigators: Impact of peripheral arterial disease in patients with diabetes--results from PROactive (PROactive 11). Atherosclerosis. 2009; 202: 272-81. [PubMed]

PROactive 試験の,末梢動脈疾患(PAD)を有する症例におけるサブ解析である。予想されるように,PAD患者では一次エンドポイント(心血管エンドポイント),死亡までの期間や非致死的心筋梗塞や脳卒中からなる二次エンドポイント,全死亡や脳卒中などのリスクが有意に高値であった。pioglitazoneの効果はPADを有しない患者で大きく,PAD患者ではみられなかった。従来の心血管疾患アウトカムをみる介入試験には,PADが取り入れられていないものが多く,今後は糖尿病の診療にあたり,PADをしっかり診断し考慮していく必要があるだろう。【片山茂裕

●目的 大血管障害を有する2型糖尿病患者において,末梢動脈疾患(PAD)の心血管疾患アウトカムへの影響を検討し,さらにpioglitazone(インスリン抵抗性改善薬)治療の効果への影響を検討した。PROactiveの事後解析。
●デザイン 無作為,二重盲検,プラセボ対照,多施設(19ヵ国,321施設)。
●試験期間 登録期間は2001年5月~2002年4月。追跡期間は平均34.5ヵ月。
●対象患者 5238例:大血管障害を有する2型糖尿病患者。35~75歳。
登録基準:試験参加の6ヵ月以上前の心筋梗塞(MI),脳卒中,経皮下肢インターベンション,CABG。試験参加の3ヵ月以上前の急性冠症候群(ACS)。冠動脈疾患またはPAD。
除外基準:1型糖尿病。インスリン治療のみを実施。冠または末梢血管の血行再建術の予定。NYHAクラス2以上の心不全。下肢の虚血性潰瘍,壊疽,安静痛。血液透析の実施。ALT値が正常上限の2.5倍以上。
●方法 PROactive試験ではpioglitazone群,プラセボ群にランダム化。
本解析では,ベースラインにPADを有する1274例(pioglitazone群619例,プラセボ群655例)のアウトカムを,PADを有さない3964例と比較。
●結果 ベースラインにPADを有する例では有さない例に比し,一次エンドポイント(ハザード比[HR]1.64,p<0.0001),二次エンドポイント(HR 1.46,p<0.0001),全死亡(HR 1.91,p<0.0001),脳卒中(HR 1.45,p=0.0175)のリスクが有意に高かった。
ベースラインにPADのみを有する例(大血管障害を有さない)の一次および二次エンドポイントリスク,全死亡リスクは,ベースラインにMIのみを有する例と同等であった。
PADを有さない例においては,pioglitazone群ではプラセボ群に比し,一次エンドポイント(HR 0.84,p=0.0160),二次エンドポイント(HR 0.83,p=0.0453),ACS(HR 0.65,p=0.0287)のリスクが有意に低下したが,この効果は,PADを有する例においては認められなかった。
全体の下肢血行再建術リスクはpioglitazone群でプラセボ群に比し高かったが,これはPADを有する例におけるpioglitazone群のリスクが有さない例よりもはるかに高いことによる(HR:1.68 vs 0.59)。また,下肢血行再建術の多くは治療開始後12ヵ月以内に発生していた。
●結論 大血管障害を有する2型糖尿病患者において,PADを有する例では主要な心血管イベントリスクが増大した。PADを有さない例では,pioglitazoneの効果がより大きく得られた。