編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Messerli FH, Bell DS, Fonseca V, Katholi RE, McGill JB, Phillips RA, Raskin P, Wright JT, Bangalore S, Holdbrook FK, et al.: Body weight changes with beta-blocker use: results from GEMINI. Am J Med 2007; 120: 610-615. [PubMed]

糖尿病を伴う高血圧患者における体重増加は,治療効果を低下させることがあり,臨床的にしばしば大きな問題となる。今回の体重増加に関するGEMINI試験の二次解析では,metoprololは体重を増加させたが,carvedilolは有意な変化をもたらさなかった。carvedilolのα遮断作用によるレプチン放出の増加や,carvedilolの有する抗酸化作用が関係するのか,詳細は不明であるが,興味深い結果である。【片山茂裕

●目的 高血圧を有する2型糖尿病患者において,β遮断薬carvedilolおよびmetoprololが体重に及ぼす影響を検討した。GEMINIの二次解析。
本解析では二次エンドポイントである体重の変化を検討(一次エンドポイントは5ヵ月後におけるHbA1c値の変化)。
●デザイン 前向き,無作為,二重盲検,パラレル,多施設。
●試験期間 追跡期間は5ヵ月。
●対象患者 1106例:GEMINIの参加者(ACE阻害薬またはAII受容体拮抗薬[ARB]を投与されている高血圧を有する2型糖尿病患者1235例)のうち,ベースラインおよび5ヵ月後に体重測定された例。
GEMINIの登録基準:36~85歳,HbA1c値6.5~8.5%,Cペプチド値≧0.6ng/mL,SBP>130かつ≦179mmHg,DBP>80かつ≦109mmHg,糖尿病治療薬のレジメンが3ヵ月以上不変,降圧薬(ACE阻害薬およびARBを含む)のレジメンが1ヵ月以上不変。
●方法 GEMINIでは,ACE阻害薬およびARBを除くすべての降圧薬を中止し,ACE阻害薬およびARBについては,それまでと同用量を2~4週間継続後,carvedilol群(6.25mg[2回/日]),metoprolol群(50mg[2回/日])に2:3の割合でランダム化。降圧目標を達成するまで,2~7週間にわたって,1~2週ごとにそれぞれ最大25mg(2回/日),200mg(2回/日)まで増量。
本解析では,5ヵ月後における体重の変化を両群で比較(対象例はcarvedilol群456例,metoprolol群650例)。
●結果 ベースラインにおける平均体重は,carvedilol群97.5kg,metoprolol群96.6kgであった。5ヵ月後の体重は,metoprolol群では有意に増加したのに対し(+1.19kg,p<0.001),carvedilol群では有意な変化はみられず(+0.17kg,p=0.36),両群間に有意差が認められた(群間差-1.02kg,95%CI -1.43~-0.60,p<0.001)。
metoprolol群の肥満例(BMI 30~39.9)および病的肥満例(BMI>40)では,carvedilol群の同様の患者に比して,体重の増加量が有意に大きかった(群間差はそれぞれ-0.90kg,95%CI-1.5~-0.3,p=0.002;-1.84g,95%CI-2.9~-0.8,p=0.001)。
ペアワイズ相関分析では,体重変化とHbA1c値,HOMA-IR,血圧の変化との間に有意な相関はみられなかった。
ベースラインにインスリンを投与されていた患者では,体重変化に関して両群間に有意差はなかったが,インスリンを投与されていなかった患者では,metoprolol群で体重の増加量が有意に大きかった(群間差-1.15kg,95%CI-1.59~-0.72,p<0.0001)。
●結論 高血圧を有する2型糖尿病患者において,metoprololはcarvedilolに比して体重をより大きく増加させた。両剤の差は,病的肥満例およびインスリン非投与例でとくに大きかった。