編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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McEwen LN, Kim C, Karter AJ, Haan MN, Ghosh D, Lantz PM, Mangione CM, Thompson TJ, Herman WH: Risk factors for mortality among patients with diabetes: the Translating Research Into Action for Diabetes (TRIAD) Study. Diabetes Care 2007; 30: 1736-1741. [PubMed]

医療保険加入者という,比較的医療へのアクセスのよい糖尿病患者において死因を検討している。高齢,男性,喫煙,腎疾患,心血管疾患などが,全死亡の予測因子であった。また,肥満ではなくむしろやせていることが,全死亡と関連した。死因の58%を非心血管疾患による死亡は,インスリン治療の有無にかかわらず,経口血糖降下薬服用者で低かったことは興味深い。【片山茂裕

●目的 糖尿病患者における全死亡,心血管死,非心血管死の予測因子を検討した。
●デザイン 多施設,プロスペクティブ,観察研究。
●試験期間 試験期間は4年(追跡期間は平均3.7年)。
●対象患者 8733例:TRIADの参加者(≧18歳の糖尿病患者11927例)のうち,データの得られた例。
●方法 ベースラインに電話または郵送による調査を行うとともに,診療記録および医療保険におけるデータのレビューを実施。また,National Death Index(NDI)により,2004年1月1日までの死亡例およびその死因に関するデータを入手。Cox比例ハザードモデルを用いて,年齢,性別,人種,教育,収入,糖尿病罹病期間,糖尿病治療,BMI,喫煙,細小血管障害および大血管障害,併発症(Charlson index)のなかから全死亡,心血管死,非心血管死の予測能を有する因子を検討。
●結果 2004年1月1日までに791例(9%)が死亡した(心血管死336例,非心血管死455例)。
多重Cox比例ハザードモデルにおける全死亡の予測因子は,高齢(ハザード比[HR]1.04,95%CI 1.03-1.05),男性(HR 1.57,95%CI 1.35-1.83),非ヒスパニック系白人(vsヒスパニック:HR 0.72,95%CI 0.55-0.96),低収入(<15000 vs >75000ドル:HR 1.82,95%CI 1.30-2.54,15000~45000 vs >75000ドル:HR 1.58,95%CI 1.15-2.17),長い糖尿病罹病期間(≧9 vs <9年:HR 1.20,95%CI 1.02-1.41),BMI低値(<26 vs 26~<30kg/m²:HR 1.43,95%CI 1.13-1.69),喫煙(HR 1.44,95%CI 1.20-1.74),腎症(HR 1.46,95%CI 1.23-1.73),大血管障害(HR 1.46,95%CI 1.23-1.74),Charlson index高値(2~<3 vs <1:HR 2.01,95%CI 1.04-3.90,≧3vs <1:HR 4.38,95%CI 2.26-8.47)であった。
心血管死および非心血管死に共通する予測因子は,高齢,男性,低収入,BMI低値,喫煙,腎症で,さらに心血管死では長い糖尿病罹患期間および大血管障害,非心血管死では非ヒスパニック系白人(vs黒人およびその他の人種)およびCharlson index高値が予測因子となっていた。
●結論 治療を行われている糖尿病患者において,高齢,男性,喫煙,腎疾患は死亡の重要な予測因子であった。また,医療保険の加入者においてさえも,社会経済学的環境は健康に関する重要で独立した予測因子であった。