編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Pavkov ME, Hanson RL, Knowler WC, Bennett PH, Krakoff J, Nelson RG: Changing patterns of type 2 diabetes incidence among Pima Indians. Diabetes Care 2007; 30: 1758-1763. [PubMed]

ピマインディアンにおける糖尿病の発症は1930年代からみられるようになり,1950年代までに爆発的に増加した。しかしながら,その後は,BMIが増加しているにもかかわらず,大きく変わっていないことが今回の検討から明らかにされた。ただ5~14歳では,1965~1977年に比べ,1991~2003年で糖尿病の発症率が5.7倍に増加していた。このようなことは,肥満者の増加に伴い日本人小学生で2型糖尿病の発症率が10倍に,中学生で2倍に増加しているとの報告があるだけであり,注目に値する。【片山茂裕

●目的 1965~2003年におけるピマインディアンの2型糖尿病発症率の推移を検討した。
●デザイン 縦断研究。
●試験期間 -
●対象患者 8236例:米国アリゾナ州Gila River Indian Communityに居住する≧5歳のピマインディアンおよびTohono O'odham(パパゴ)インディアンのうち,ベースラインに糖尿病を認めない例(男性3621例,女性4615例)。
●方法 2年ごとに2型糖尿病の発症状況を調査し,13年ごと(1965~1977年,1978~1990年,1991~2003年)の発症率および有病率を算出(各期間の解析対象はそれぞれ2859例,2583例,2794例)。
糖尿病発症は,OGTT 2時間値≧200mg/dLまたは薬物療法(インスリンまたは経口血糖降下薬)の実施のいずれかに該当する場合とした。
●結果 追跡期間に計1005件の糖尿病が発生した(1965~1977年351件,1978~1990年297件,1991~2003年357件)。またBMIは,追跡期間に男性で12%,女性で19%増加していた。
年齢および性別を補正した発症率は,1965~1977年25.3件/1000人・年(95%CI 22.5-28.0),1978~1990年22.9件/1000人・年(95%CI 20.0-25.8),1991~2003年23.5件/1000人・年(95%CI 20.5-26.5)と有意な変化はみられなかった(p=0.3)。
年齢別の発症率(性別を補正)を1965~1977年と1991~2003年で比較すると, 5~14歳では増加していたが(発症率比5.7,95%CI 1.9-17.4),25~34歳では低下していた(発症率比0.6,95%CI 0.4-0.8)。
また,年齢別の有病率は,<25歳においてのみ有意な上昇傾向を示した(p for trend<0.0001)。
●結論 過去40年間にピマインディアンのBMIは増加していたものの,2型糖尿病の発症率は安定しており,若年者でのみ有意な上昇が認められた。