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Mishra GD, Carrigan G, Brown WJ, Barnett AG, Dobson AJ: Short-term weight change and the incidence of diabetes in midlife: results from the Australian Longitudinal Study on Women's Health. Diabetes Care 2007; 30: 1418-1424. [PubMed]
成人期の体重や体重の増減が2型糖尿病の発症と強く相関することは,これまでにも多くの成績がある。今回のALSWHでは,当初のBMIは糖尿病発症と関連するが,短期間の体重の増減は相関を示さなかった。【片山茂裕】
●目的 | 中年女性において,BMIおよび短期間(2~3年間)の体重変化が糖尿病の新規発症に及ぼす影響を検討した。 |
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●デザイン | 縦断研究。 |
●試験期間 | - |
●対象患者 | 7239例:ALSWHの参加者(オーストラリアのNational Medicare Insurance Databaseから無作為に抽出された1996年時点で18~23歳[若年コホート],45~50歳[中年コホート],70~75歳[高齢コホート]の女性)のうち,中年コホート。 |
●方法 | 2004年までに行われた4回の郵送調査(S1:1996年,S2:1998年,S3:2001年,S4:2004年)のデータを使用し,一般化推定方程式を用いて,S1におけるBMIおよび短期間(S1~S2,S2~S3)の体重の年間変化率がその後(それぞれS2~S3,S3~S4)の糖尿病の新規発症に及ぼす影響を検討(社会人口統計学的因子および生活習慣因子を補正)。 |
●結果 | S1におけるBMIは,その後の糖尿病新規発症リスクと強い相関を示した(p<0.0001)。BMI<25kg/m²例に比して,≧25kg/m²例では発症リスクが有意に高く,そのオッズ比は≧25~<30kg/m²例で3.00,≧30~<35kg/m²例で7.32,≧35kg/m²例で12.48であった(いずれもp<0.0001)。一方,短期間の体重の年間変化率は,その後の糖尿病新規発症リスクと相関を示さなかった(p=0.08)。 |
●結論 | 中年女性における糖尿病新規発症リスクは,45~50歳以降の短期間における体重変化よりも,45~50歳時のBMIに強く相関していたことから,公衆衛生においては成人期早期あるいはそれ以前の体重増加の予防を主導していくべきである。 |
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糖尿病トライアルデータベースは2001年にオープンしました。現在までに,1283件のトライアルを収載しています。