編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Eijkelkamp WB, Zhang Z, Remuzzi G, Parving HH, Cooper ME, Keane WF, Shahinfar S, Gleim GW, Weir MR, Brenner BM, et al.: Albuminuria is a target for renoprotective therapy independent from blood pressure in patients with type 2 diabetic nephropathy: post hoc analysis from the Reduction of Endpoints in NIDDM with the Angiotensin II Antagonist Losartan (RENAAL) trial. J Am Soc Nephrol 2007; 18: 1540-1546. [PubMed]

すでにRENAALのpost hoc解析で,試験開始時の蛋白尿が大であるほど,また試験開始6ヵ月後の蛋白尿の減少度が悪いほど,腎イベントや心イベントが起こりやすいことが明らかにされている。
今回の解析では,降圧度および蛋白尿の減少度と腎イベントとの関連が検討された。その結果,ESRDを指標とした腎イベントのリスクは,降圧度や蛋白尿の減少度に伴い低下していたが,両者が低下した際にもっとも低くなっていた。今回の検討で注目すべきことは,降圧度に関わらず,蛋白尿の減少度が腎イベントにもっとも関連した点である。【片山茂裕

●目的 腎症を伴う高血圧の2型糖尿病患者において,ACE阻害薬losartanのSBPおよびアルブミン尿に対する効果を検討し,さらにそれらの腎アウトカムに対する影響を検討した。RENAALのpost hoc解析。
●デザイン 無作為,二重盲検,プラセボ対照。
●試験期間 追跡期間は平均3.4年(範囲2.3~4.6年)。
●対象患者 1428例:RENAALの参加者(腎症を伴う高血圧の2型糖尿病患者1513例)のうち,ベースラインおよび6ヵ月後のSBPおよびアルブミン尿のデータが得られた例。
●方法 RENAALでは,losartan群とプラセボ群にランダム化。従来の降圧治療は継続(ACE阻害薬およびAII受容体拮抗薬[ARB]は他の降圧薬に変更)。losartanは50mg/日より投与開始し,降圧目標(≦140/90mmHg)に達しない場合,4週後に100mg/日まで増量。さらに8週後にも達しない場合には,ACE阻害薬およびARB以外の降圧薬を投与。
本解析では,6ヵ月後のSBP減少度およびアルブミン尿減少度と末期腎不全(ESRD:長期透析または腎移植)リスク,さらに,6ヵ月後のSBP値およびアルブミン尿の残存レベルとESRDリスクとの関係を,多変量Coxモデルを用いて検討。解析対象はlosartan群715例,プラセボ群713例。
●結果 6ヵ月後,SBP減少は得られたが,アルブミン尿減少が得られなかったのは,全例の37%,losartan群の26%,プラセボ群の51%であった。
ESRDリスクはSBP減少度が小さいほど増大し(≧15mmHgに対するハザード比[HR]:0~15mmHg 1.02,-15~0mmHg 1.12,<-15mmHg 1.22),同様にアルブミン尿減少度が小さいほど増大した(≧30%に対するHR:0~30% 1.60,-30~0% 2.07,<-30% 3.42)。SBPおよびアルブミン尿の両者が減少するとESRDリスクはもっとも低下した。また,SBP減少度にかかわらず,アルブミン尿減少度が大きくなるほどESRDリスクは低下した。
6ヵ月後の値については,SBP値にかかわらず,アルブミン尿の残存レベルが低値なほど,ESRDリスクは低下した。
●結論 血圧を治療目標として降圧療法を行った場合,多くの患者ではアルブミン尿減少とSBP減少は対応していなかった。一方,ESRDリスクは,SBP減少度にかかわらず,アルブミン尿減少度が大きくなるほど低下した。さらに,6ヵ月後のSBPが<130mmHgの例においても,ESRDリスクはアルブミン尿の残存レベルと相関していた。したがって,高血圧の糖尿病性腎症患者における腎アウトカム改善のための降圧薬治療は,SBPおよびアルブミン尿いずれもの減少を目的としたものである必要がある。