編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2021年11月現在,1269報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
BARI Investigators.: The final 10-year follow-up results from the BARI randomized trial. J Am Coll Cardiol 2007; 49: 1600-1606. [PubMed]

BARI試験の5年成績はPTCAとCABGに有意差はなかったが,7年後ではCABG群の生存率が優れていた。今回の10年後の最終報告では,両群間に生存率の差は認められなかった。ただし,すでに治療を受けていた糖尿病患者においては,CABGのほうが優れていた。またPTCAでは,再度の血管再疎通を必要とする例も多かった。新しい薬剤溶出ステントを用いた比較試験が今後必要であろう。【片山茂裕

●目的 多枝冠動脈疾患(CAD)患者において初回PTCAおよびCABGを比較したBARI試験の10年成績を検討した。
一次エンドポイントは全死亡。二次エンドポイントは心臓死,死亡またはQ波心筋梗塞(MI),心臓死またはすべてのMI,血行再建術の再施行,狭心症の病状。
●デザイン 無作為,多施設(米国),intention-to-treat解析。
●試験期間 登録期間は1988~1991年。追跡期間は平均10.4年(~2002年)。
●対象患者 1829例:多枝CADならびに重度の狭心症または血行再建術を要する虚血を認める患者。
●方法 PTCA群(915例),CABG群(914例)にランダム化。
両群のエンドポイント発生率を比較し,さらに既治療(経口血糖降下薬またはインスリン)の糖尿病のない例(1476例:PTCA群742例,CABG群734例)および既治療の糖尿病例(353例:173例,180例)についてもサブ解析を実施。
●結果 10年後における生存率は両群間で有意差はみられず(PTCA群71.0% vs CABG群73.5%,p=0.18),Q波MI非発症生存率についても同様であった(63.9 vs 63.6%,p=0.97)。血行再建術の再施行率はPTCA群で有意に高かったが(66.8 vs 20.3%,p<0.001),狭心症発症率は両群で同等であった。
サブ解析では,既治療の糖尿病のない例における生存率は両群で同等であったが(77.0 vs 77.3%,p=0.59),既治療の糖尿病例ではCABG群で生存率が高い傾向が認められた(45.5 vs 57.8%,p=0.025)。
●結論 多枝CAD患者における初回PTCAおよびCABGの比較では,長期的な生存率あるいはMI非発症率に関して差はみられなかった。既治療の糖尿病例では,初回CABGにより長期的生存率にベネフィットが認められたが,その他の例では差はみられなかった。