編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Thorn LM, Forsblom C, Fagerudd J, Pettersson-Fernholm K, Kilpikari R, Groop PH, FinnDiane Study Group: Clustering of risk factors in parents of patients with type 1 diabetes and nephropathy. Diabetes Care 2007; 30: 1162-1167. [PubMed]

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●目的 1型糖尿病患者において,両親の持つリスク因子が患者の糖尿病性腎症に及ぼす影響を検討した。
●デザイン 横断研究,多施設(フィンランド)。
●試験期間
●対象患者 2355例:FinnDianeに参加した1型糖尿病患者のうち,2005年5月までに腎症の有無および両親の病歴等に関するデータが得られた例。平均41歳。
●方法 対象患者を糖尿病性腎症例(780例)と非糖尿病性腎症例(1575例)に分類(糖尿病性腎症は,顕性アルブミン尿[尿中アルブミン排泄率>200μg/分または>300mg/24時間]または末期腎不全を認める場合とした)。
さらに患者の母親2353例および父親2323例(計4676例)の病歴(高血圧,心血管疾患,糖尿病)に関するデータをもとに,各対象患者についてparentalスコア(0~6ポイント)を算出。両親の病歴,parentalスコア,生存状況と対象患者の糖尿病性腎症の関係を検討。
●結果 糖尿病性腎症例では,非糖尿病性腎症例に比して,母親(41 vs 35%,p=0.046)および両親(62 vs 55%,p=0.044)の高血圧の有病率,母親の脳卒中の有病率(7.6 vs 5.1%,p=0.044),母親(1.4 vs 0.7%,p=0.058)および両親(4.3 vs 2.9%,p=0.030)の1型糖尿病の有病率が高かった。
両親がともに高血圧である患者では,両親のいずれも高血圧でない患者に比し,糖尿病性腎症発症の補正オッズ比が1.56(95%CI 1.13-2.15)であった(p=0.007)。高血圧および糖尿病に関するparentalスコアが3~4ポイントの患者における糖尿病性腎症発症の補正オッズ比(vs 0ポイント)は2.13(95%CI 1.36-3.33,p=0.001),高血圧,心血管疾患,糖尿病に関するparentalスコアが4~6ポイントの患者における補正オッズ比(vs 0ポイント)は2.13(95%CI 1.37-3.33,p=0.001)であった。
Kaplan-Meier曲線を用いた検討では,糖尿病性腎症例の父親は,非糖尿病性腎症例の父親に比して,全生存率(log-rank P=0.04)および心血管生存率(log-rank P=0.03)が有意に低かった。
●結論 1型糖尿病患者において,その両親が高血圧,心血管疾患,糖尿病のうち複数を合併している場合,その患者は糖尿病性腎症を発症するリスクが高いこと,ならびに糖尿病性腎症を発症した患者の父親は生存率が低いことが示された。