編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Wilcox R, Bousser MG, Betteridge DJ, Schernthaner G, Pirags V, Kupfer S, Dormandy J, PROactive Investigators: Effects of pioglitazone in patients with type 2 diabetes with or without previous stroke: results from PROactive (PROspective pioglitAzone Clinical Trial In macroVascular Events 04). Stroke 2007; 38: 865-873. [PubMed]

従来,血糖コントロールは大血管障害の予防には大きな効果がないとされてきたが,UKPDSの肥満例ではmetformin,STOP-NIDDMではacarboseが大血管障害に対して有効であった。本研究は,血糖のみならず,動脈硬化の進展に関与する複数の因子を改善する経口血糖降下薬は,大血管障害をも減少させる可能性を示唆していると考えられる。【景山 茂

●目的 大血管疾患の既往を有する2型糖尿病患者において,pioglitazone(インスリン抵抗性改善薬)の大血管イベントに対する効果を,脳卒中の既往の有無により比較した。PROactiveのサブ解析。
一次エンドポイントは全死亡,非致死性心筋梗塞(MI:無症候性MIを含む),非致死性脳卒中,急性冠症候群,冠インターベンション(CABGまたはPCI),下肢血行再建術,または足首より上の下肢切断術の複合エンドポイント。二次エンドポイントは全死亡,非致死性MI,非致死性脳卒中。
●デザイン 無作為,前向き,二重盲検,プラセボ対照,多施設。
●試験期間 試験期間は平均34.5ヵ月。
●対象患者 5238例:大血管疾患の既往を有する2型糖尿病患者。35~75歳。
●方法 PROactiveでは,患者をpioglitazone群(15~45mg/日,最大耐用量まで段階的増量),プラセボ群にランダム化。試験開始前に行われていた薬物療法(脂質低下薬,降圧薬,血糖降下薬)を継続するとともにガイドラインに基づいたそれらの薬剤の投与を推奨。
本解析では,対象者を,ランダム化の6ヵ月以上前に脳卒中の既往を有する984例(pioglitazone群486例,プラセボ群498例)と既往のない4254例(それぞれ2119例, 2135例)に分類し,イベントの発生を比較した。
●結果 脳卒中の既往を有する患者では,一次エンドポイント(pioglitazone群20.2% vs プラセボ群25.3%,ハザード比[HR]0.78,95%CI 0.60-1.02,p=0.067)および二次エンドポイント(15.6 vs 19.7%,HR 0.78,95%CI 0.58-1.06,p=0.110)についてpioglitazoneが有効である傾向がみられた。致死性または非致死性脳卒中(5.6 vs 10.2%,HR 0.53,95%CI 0.34-0.85,p=0.009),および心血管死+非致死性MI+非致死性脳卒中(13.0 vs 17.7%,HR 0.72,95%CI 0.53-1.00,p=0.047)については,pioglitazone群で有意に低下した。
脳卒中の既往のない患者では,初回脳卒中に対するpioglitazoneの効果は認められず,他のいずれのイベントに関しても両群間に有意差はみられなかった。
脳卒中の既往を有する患者では,既往のない患者に比して全体的にイベントの発生率が高かった。
●結論 大血管疾患の既往を有する2型糖尿病患者において,pioglitazoneは脳卒中の再発リスクを有意に低減することが示された。