編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Puig JG, Marre M, Kokot F, Fernandez M, Jermendy G, Opie L, Moyseev V, Scheen A, Ionescu-Tirgoviste C, Saldanha MH, et al.: Efficacy of indapamide SR compared with enalapril in elderly hypertensive patients with type 2 diabetes. Am J Hypertens 2007; 20: 90-97. [PubMed]

利尿薬の微量アルブミン尿に及ぼす影響を検討した成績は少ない。本試験は,indapamide徐放剤とenalaprilの血圧と微量アルブミン尿に及ぼす影響を検討した初めての長期(1年)にわたる試験である。全体での成績と同様に,今回の65歳以上の高血圧を伴う高齢者2型糖尿病患者でも,両薬がほぼ同等な降圧効果と微量アルブミン尿減少効果が示された。【片山茂裕

●目的 高血圧および微量アルブミン尿を有する高齢2型糖尿病患者において,利尿薬indapamide徐放剤およびACE阻害薬enalaprilの血圧および微量アルブミン尿に対する効果を比較した。NESTORのサブ解析。
一次評価項目はアルブミン尿。二次評価項目はSBPおよびDBP。
●デザイン 無作為,二重盲検,パラレル,多施設。
●試験期間 試験期間は1年。
●対象患者 187例:NESTORの参加者(35~80歳で本態性高血圧および微量アルブミン尿を有する2型糖尿病患者570例)のうち≧65歳。
登録基準:食事療法および/または経口血糖降下薬治療が3ヵ月以上不変。run-in期間のアルブミン排泄率20~200μg/分。SBP140~180mmHgかつDBP<110mmHg。
除外基準:重度の高血圧。BMI>40kg/m²。血尿または白血球尿。尿路感染症。
●方法 NESTORでは,4週のrun-in期間後,indapamide(徐放剤1.5mg/日)群,enalapril(10mg/日)群にランダム化。降圧目標をSBP≦140mmHgかつDBP<85mmHgとし,必要に応じて6週目よりCa拮抗薬amlodipine(5または10mg/日)およびβ遮断薬atenolol(50または100mg/日)を段階的に併用。
本解析では,≧65歳における両剤の微量アルブミン尿減少効果および降圧効果を検討。対象者はindapamide群95例,enalapril群92例。
●結果 尿中アルブミン/クレアチニン比は,indapamide群で46%低下(95%CI 31-57),enalapril群で47%低下(95%CI 32-59)した。indapamide群のenalapril群に対する減少率は0.95(95%CI 0.68-1.34)で,indapamide徐放剤の非劣性が示された(p=0.0236,非劣性の基準は<35%)。動脈圧はindapamide群で18mmHg低下,enalapril群で15mmHg低下し,両群間に有意差はみられなかった(p=0.1136)。本解析の対象とした高齢者では,両剤による微量アルブミン尿の減少はNESTORの全対象患者に比べてやや大きかったものの,その他の効果はほぼ同等であった。
両剤の忍容性は良好で,有害事象の頻度は同程度であった。また,両群の血糖値および脂質プロファイルにも差はみられなかった。
●結論 高血圧および微量アルブミン尿を有する高齢2型糖尿病患者において,indapamide徐放剤は,微量アルブミン尿の減少効果および降圧効果に関してenalaprilに劣らないことが示された。