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Schofield CJ, Libby G, Brennan GM, MacAlpine RR, Morris AD, Leese GP, DARTS/MEMO Collaboration: Mortality and hospitalization in patients after amputation: a comparison between patients with and without diabetes. Diabetes Care 2006; 29: 2252-2256. [PubMed]
糖尿病患者で下肢切断が多いことは,よく知られている。本コホートでも,下肢切断の頻度は,10万人・年あたり糖尿病患者で248件,非糖尿病患者で20件と,12.3倍の高率であった。今回,下肢切断をした患者の死亡あるいは心不全発症リスクが検討されたが,糖尿病患者では非糖尿病患者に比べて,それぞれ1.55倍,2.26倍であった。1年,5年,10年生存率は,それぞれ67.2%,31.9%,8.4%であった。これまでに報告された成績とほぼ一致するものである。下肢切断患者では,心血管疾患のリスク管理が重要であろう。【片山茂裕】
●目的 | 下肢切断術後の死亡および大血管障害のリスクを糖尿病患者と非糖尿病患者で比較した。 一次エンドポイントは初回下肢切断術後の死亡。二次エンドポイントは下肢切断術後の入院を要する重度のイベント(急性冠症候群,狭心症,うっ血性心不全,末梢血管疾患,脳卒中,足関節より近位側の下肢切断術)。 |
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●デザイン | レトロスペクティブ,コホート。 |
●試験期間 | - |
●対象患者 | 390例:1992年1月1日~1995年12月31日にスコットランドTayside州の病院において足関節より近位側に初回下肢切断術を施行された例。 登録基準:1992年1月時点にTayside州に居住し,かつ1998年3月31日まで引き続き居住あるいはその間に死亡。 |
●方法 | 一般医に受診した際の登録情報,DARTS(Diabetes Audit and Research in Tayside Scotland),MEMO(Medicines Monitoring Unit),SMR1(Scottish Morbidity Record 1)のデータを用いた。対象患者の死亡(~2005年1月1日)および入院(~1996年3月31日)を追跡調査し,糖尿病患者119例(30.5%)と非糖尿病患者271例(69.5%)の比較を行った。 |
●結果 | 生存期間中央値は,糖尿病患者27.2ヵ月,非糖尿病患者46.7ヵ月であった(p=0.0001)。 糖尿病患者の非糖尿病患者に対する死亡リスクのハザード比(年齢,性別,社会的隔離を補正)は1.55(95%CI 1.22-1.98)であった。また,うっ血性心不全リスクのハザード比は2.26(95%CI 1.12-4.57),下肢切断術(足関節より近位側)再施行リスクのハザード比は1.95(95%CI 1.14-3.33)であった。 |
●結論 | 下肢切断術を施行された糖尿病患者では,非糖尿病患者に比して死亡リスクが増大していた。これらの患者に対しては,心血管リスク因子に対する強力な治療および心不全のマネジメントを行い,死亡リスクを最小限に抑制する努力が必要である。 |
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