編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Janghorbani M, Feskanich D, Willett WC, Hu F: Prospective study of diabetes and risk of hip fracture: the Nurses' Health Study. Diabetes Care 2006 :29 1573-1578. [PubMed]

糖尿病が骨粗鬆症や骨折のリスクになるかどうかは,必ずしも明らかでない。骨密度は,1型糖尿病では減少しているが,2型糖尿病では減少・不変・増加とさまざまな報告がある。骨折のリスクについても,1型糖尿病では増加とする報告が多く,2型糖尿病ではさまざまな報告がある。今回の試験は,1型でも2型でも,糖尿病女性患者で大腿骨頸部骨折リスクがそれぞれ6.4倍,2.2倍であることを示した重要な解析といえる。【片山茂裕

●目的 女性の1型または2型糖尿病患者において,大腿骨頸部骨折リスクを検討した。
●デザイン コホート,観察研究。
●試験期間 追跡期間は22年(1980年~2002年6月1日,2,220,000人・年)。
●対象患者 109,983例:NHSの参加者(1976年時点で30~55歳であった米国11州の看護師121,701例)のうち,糖尿病発症状況その他のデータが得られた例(1980年時点で34~59歳,平均56.1歳)。
●方法 大腿骨頸部骨折の発生状況,糖尿病の発症状況および治療,その他の大腿骨頸部骨折のリスク因子を質問票にて2年ごとに調査。大腿骨頸部骨折リスクを非糖尿病例(101,343例),1型糖尿病例(292例),2型糖尿病例(8,348例)で比較。
●結果 追跡期間に1398例(1.2%)が大腿骨頸部骨折を発生した。
非糖尿病例に対する大腿骨頸部骨折の相対リスク(年齢を補正)は,1型糖尿病例7.1(95%CI 4.4-11.4,p<0.001),2型糖尿病例1.7(95%CI 1.4-2.0,p<0.001)であった。多変量モデルを用いて,さらにBMI,喫煙,身体活動,閉経状況,Ca摂取量,ビタミンD摂取量,蛋白質摂取量,エストロゲン使用を補正すると,相対リスクはそれぞれ6.4(95%CI 3.9-10.3,p<0.001),2.2(95%CI 1.8-2.7,p<0.001)であった。
2型糖尿病例においては,罹病期間の延長およびインスリン使用歴により大腿骨頸部骨折リスクが増大しており,非糖尿病例に対する相対リスクは,罹病期間≧12年は3.1(95%CI 2.3-4.0,p<0.001),インスリン使用例は3.4(95%CI 2.4-4.7,p<0.001)であった。
●結論 1型および2型糖尿病のいずれも,女性における大腿骨頸部骨折リスクの増大と相関しており,この相関は1型糖尿病でより強かった。この結果は,女性の糖尿病患者に対しては骨折予防が必要であることを強調するものである。