編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Brunner EJ, Shipley MJ, Witte DR, Fuller JH, Marmot MG: Relation between blood glucose and coronary mortality over 33 years in the Whitehall Study. Diabetes Care 2006; 29: 26-31. [PubMed]

血糖が高値になるにしたがい,CHD死を含めたCVD死が増加することはよく知られているが,どのような関連式になるのかは必ずしも明らかでなかった。今回の検討では,まず50g OGTT 2時間値が83mg/dLを超えるとCHD死が増加することが明らかにされた。次いで,2時間値を2次式として用いた非線形の関係にあることが示された。【片山茂裕

●目的 OGTT 2時間値と冠動脈心疾患(CHD)死およびその他の死亡との関係を検討した。
●デザイン コホート研究。
●試験期間 観察期間は33年(451,787人・年)。
●対象患者 17869例:Whitehall Studyの参加者(ロンドンの男性公務員18403例,40~64歳)のうち,必要なデータが得られ,かつ既知の糖尿病患者を除いた例。
●方法 ベースライン(1967年9月~1970年1月)に50g OGTTを実施。National Health Service Central Registryにより,2002年末までの生存状況および死因(全死亡,心血管[CVD]死[CHD死,脳卒中死,大動脈瘤死],非CVD死[悪性腫瘍死,呼吸器疾患死,その他の非CVD死])を調査。
2時間値をもとに耐糖能正常例(<95mg/dL:16826例),耐糖能異常例(96~199mg/dL:987例),新規糖尿病例(≧200mg/dL:56例)に分類し,死亡のハザード比(vs 耐糖能正常例)を死因別に検討。耐糖能正常例および耐糖能異常例について2時間値とCHD死のハザード比(vs 2時間値<83mg/dL)の関係を検討。また,2時間値とCHD死の用量-反応関係を表すモデルについて検討。
●結果 追跡期間に3561例がCHD死に至った(耐糖能正常例3286例,耐糖能異常例247例,新規糖尿病例28例)。
耐糖能異常例では,全死亡,大動脈瘤死を除くCVD死,悪性腫瘍死を除く非CVD死のリスクが増大していた。
CHD死のハザード比は,2時間値83mg/dLより上昇を示した。年齢および線形式としての2時間値を用いたモデルよりも,それらに二次式としての2時間値を加えたモデルのほうが2時間値とCHD死の用量-反応関係をよく表していたことから,両者は非線形関係を有するというエビデンスが示された。2時間値の対数値を用いても変化はみられなかった。さらに,年齢および線形式としての2時間値を用いたモデルにおいて83mg/dLを閾値としたところ,用量-反応関係にもっともよく一致していた。2時間値<83mg/dLでは用量-反応関係は認められなかった。
2時間値200mg/dLにおける<83mg/dL に対するCHD死のハザード比(年齢を補正)は3.62(95%CI 2.34-5.56)であった。すべてのリスク因子(ベースラインにおけるCHD,BMI,SBP,コレステロール値,喫煙,運動,肺機能,雇用グレード)を補正すると,2時間値とCHD死の用量-反応関係は45%減弱した(ハザード比2.03,95%CI 1.31-3.16)。
●結論 特定の閾値を用いたOGTT 2時間値の線形モデルは,2時間値とCHD死リスクの用量-反応関係をもっともよく表していた。