編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Thorn LM, Forsblom C, Fagerudd J, Thomas MC, Pettersson-Fernholm K, Saraheimo M, Waden J, Ronnback M, Rosengard-Barlund M, Bjorkesten CG, et al.: Metabolic syndrome in type 1 diabetes: association with diabetic nephropathy and glycemic control (the FinnDiane study). Diabetes Care 2005; 28: 2019-2024. [PubMed]

1型糖尿病患者においても,メタボリックシンドロームが高頻度に認められることが明らかとなった。アルブミン尿が高度になるにつれ,クレアチニンクリアランスが低下するにつれ,また血糖コントロールが不良なほど,その頻度が増加していた。このことは,今後の治療的介入のターゲットとその重要性を示唆しているといえる。【片山茂裕

●目的 フィンランド人の1型糖尿病患者におけるメタボリックシンドロームの有病率を検討し,メタボリックシンドロームと糖尿病性腎症および血糖コントロールとの関係を検討した。
●デザイン 横断研究,多施設。
●試験期間 試験期間は~2004年4月。
●対象患者 2415例:フィンランド人の1型糖尿病患者。男性51%。平均37歳。平均罹病期間22年。
●方法 尿中アルブミン排泄率(AER)に基づき,対象患者をAER正常例(<20μg/分または<30mg/24h:1261例),微量アルブミン尿例(20~200μg/分または30~300mg/24h:326例),蛋白尿例(>200μg/分または>300mg/24h:383例),末期腎不全(ESRD)例(透析または腎移植:164例)に分類。蛋白尿例またはESRD例を糖尿病性腎症とした。
また,Cockcroft-Gault式を用いて腎機能(クレアチニンクリアランス)を推定し,正常例(>90ml/分/1.73m²),軽度腎障害例(60~90ml/分/1.73m²),中等度~重度腎障害例(<60ml/分/1.73m²)に分類。
さらに,HbA1c値に基づき,血糖コントロール良好例(<7.5%:578例),中等度例(7.5~9.0%:1087例),不良例(>9.0%:695例)に分類。
NCEPの基準(ウエスト周囲経>102cm[男性]または>88cm[女性],トリグリセリド値≧1.70mmol/L,HDL-C値<1.00mmol/L[男性]または<1.30mmol/L[女性],血圧≧130/85mmHgまたは降圧薬の服用,空腹時血糖値≧6.11mmol/L)に基づいてメタボリックシンドロームの有無を評価し,糖尿病性腎症,クレアチニンクリアランス,血糖コントロールとの関係を評価。
●結果 メタボリックシンドロームの有病率は男性38%,女性40%であった。
メタボリックシンドロームの有病率はAERの悪化に伴って増加していた(AER正常例28%,微量アルブミン尿例44%,蛋白尿例62%,ESRD例68%:p<0.001)。糖尿病性腎症のオッズ比は(年齢,性別,喫煙習慣,HbA1c値を補正),メタボリックシンドロームを有する患者では有さない患者に比して3.75倍高く(95%CI 2.89-4.85),メタボリックシンドロームの個々の基準は糖尿病性腎症と独立した相関を示した。
同様に,メタボリックシンドロームの有病率はクレアチニンクリアランスの低下に伴って増加し(正常例36%,軽度腎障害例34%,中等度~重度腎障害例60%:p<0.001),また,血糖コントロールの悪化に伴っても増加していた(血糖コントロール良好例31%,中等度例36%,不良例51%:p<0.001)。
●結論 メタボリックシンドロームは1型糖尿病患者に高頻度にみられ,糖尿病性腎症の進展および血糖コントロールの悪化に伴って増加していた。