編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2021年1月現在,1249報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Friedman AN, Hunsicker LG, Selhub J, Bostom AG, Collaborative Study Group: C-reactive protein as a predictor of total arteriosclerotic outcomes in type 2 diabetic nephropathy. Kidney Int 2005; 68: 773-778. [PubMed]

近年,動脈硬化の発症に炎症が深く関わることが注目されている。しかしながら,動脈硬化性心血管疾患の高リスクである慢性腎疾患や糖尿病性腎症の患者における検討は,必ずしも多くない。
今回のIDNT試験における検討では,顕性腎症の患者においては炎症のマーカーであるCRP値は,必ずしも心血管疾患のマーカーとはならないことが示された。【片山茂裕

●目的 腎症を伴う2型糖尿病患者において,C反応性蛋白(CRP)値と動脈硬化性アウトカムおよびうっ血性心不全(CHF)との関係を検討した。
一次アウトカムは動脈硬化性アウトカム(心血管死,心筋梗塞,脳卒中,下肢切断,計画外の心または末梢の血行再建術)。二次アウトカムはCHFアウトカム(入院を要するCHF,レニン-アンジオテンシン-アルドステロン阻害薬投与)。
●デザイン 無作為,前向き,多施設(北米,南米,欧州,アジア)。
●試験期間 追跡期間は平均2.6年。
●対象患者 1560例:IDNTの参加者(腎症および高血圧を伴う2型糖尿病患者1715例)のうち,ベースライン時の血清CRP値が得られた例。平均58±8歳。
登録基準:30~70歳,24時間尿中蛋白排泄率≧900mg/日,血清クレアチニン値1.0~3.0mg/dL(女性)または1.2~3.0mg/dL(男性),血圧>135/85mmHgまたは降圧薬治療。
●方法 ベースライン時のCRP値(五分位:0~1.2,1.3~2.5,2.6~5.0,5.1~10.0,>10mg/L)とアウトカムの発生との関係を比例ハザードモデルで解析(年齢,性別,SBPおよびDBP,BMI,心血管疾患の既往,喫煙歴,総コレステロール/HDL-C比,HbA1c,腎機能を補正)。
●結果 追跡期間に,動脈硬化性アウトカムは486件(361例),CHFアウトカムは316件(205例)発生した。
単変量解析では,CRP値と動脈硬化性アウトカムに有意な相関が認められた(p=0.02)。しかし,補正後の多変量解析では,その相関は認められなかった(p=0.38)
CRP値とCHFアウトカムについては,単変量解析(p<0.0001)および多変量解析(p=0.006)ともに有意な相関を認めたが,多変量解析で有意であったのはCRP最高値群のみであった(相対リスク2.0,95%CI 1.27-3.16)。
●結論 腎症を有する2型糖尿病患者において,動脈硬化性アウトカムリスクについてのCRP値の予測能は従来のリスク因子の予測能を超えるものではなかった。本解析で認められたCRP高値とCHFアウトカムリスクの関係については,さらに検証を要する。