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Charbonnel BH, Matthews DR, Schernthaner G, Hanefeld M, Brunetti P, QUARTET Study Group: A long-term comparison of pioglitazone and gliclazide in patients with Type 2 diabetes mellitus: a randomized, double-blind, parallel-group comparison trial. Diabet Med 2005; 22: 399-405. [PubMed]
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●目的 | 経口血糖降下薬未投与の2型糖尿病患者において,pioglitazone(インスリン抵抗性改善薬)およびスルホニル尿素薬gliclazideが糖代謝コントロールおよび脂質値に及ぼす効果を比較。 一次エンドポイントはHbA1c値の変化。二次エンドポイントは空腹時血漿ブドウ糖(FPG)値,空腹時血漿インスリン値,血漿脂質値の変化。 |
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●デザイン | 無作為,二重盲検,パラレル,多施設(欧州14ヵ国,オーストラリア,カナダ,南アフリカ,イスラエル),intention-to-treat解析。 |
●試験期間 | 試験期間は52週。 |
●対象患者 | 1270例:食事療法実施下で血糖コントロール不良(HbA1c値7.5~11.0%)の2型糖尿病患者。35~75歳。過去3ヵ月の血糖コントロールが安定または悪化をみた者。 除外基準:血糖降下薬の服用歴,試験薬の投与禁忌。 |
●方法 | 患者を,pioglitazon群(最大45mg/日),gliclazide群(最大160mg/日[分2])にランダム化。16週までは用量調整を行い,その後36週にわたって最大耐容量を投与。 HbA1c値,FPG値,空腹時血漿インスリン値,血漿脂質値を測定。さらに一部の施設では,75g OGTTを実施し,Cペプチド値およびプロインスリン値を測定。 |
●結果 | 52週後のHbA1c値は,両群とも-1.4%(90%CI -0.18~0.02)低下した。 52週後のFPG値は,pioglitazone群でgliclazide群に比して有意に大きな低下が認められた(-2.4 vs -2.0mmol/L,群間差-0.4mmol/L[95%CI -0.7~-0.1],p=0.002)。空腹時血漿インスリン値,Cペプチド値,プロインスリン値はいずれも,pioglitazone群で低下したのに対してgliclazide群では増加し,両群間に有意差が認められた(いずれもp<0.001)。 52週後の75g OGTTにおける血糖値のAUC0-3h(3時間後までの血漿中濃度-時間曲線下面積)の増加度は,pioglitazone群でgliclazide群に比して有意に大きな低下が認められ(p<0.001),インスリン値のAUC0-3hの増加度については,pioglitazone群で変化がみられなかったのに対し,gliclazide群では増大し,両群間に有意差が認められた(p<0.001)。 52週後のHDL-C値(p<0.001),LDL-C値(p<0.001),総コレステロール/HDL-C(p=0.001)の改善も,pioglitazone群でgliclazide群に比して有意に大きかった。 有害事象の発現率は両群で同等であったが(70 vs 71%),gliclazide 群では低血糖が最も高頻度に認められたのに対し(8.7 vs 4.5%),pioglitazone群では浮腫が最も高頻度であった(10.1 vs 3.5%)。 |
●結論 | pioglitazoneはgliclazideと同様のHbA1c値改善効果を示したが,両剤の作用機序,血漿脂質値に対する効果,有害事象プロファイルには相違が認められた。インスリン感受性,低血糖,血漿脂質値に関してはpioglitazoneでより大きなベネフィットが得られると考えられた。 |
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