編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Skyler JS, Krischer JP, Wolfsdorf J, Cowie C, Palmer JP, Greenbaum C, Cuthbertson D, Rafkin-Mervis LE, Chase HP, Leschek E: Effects of oral insulin in relatives of patients with type 1 diabetes: The Diabetes Prevention Trial--Type 1. Diabetes Care 2005; 28: 1068-1076. [PubMed]

全例における検討では,経口インスリン投与による糖尿病発症抑制効果は認められなかったが,IAA≧80nU/mLの症例においては,糖尿病の発症が43%抑制された。さらに有効な介入方法の探索や,いくつかの治療方法を組み合わせた介入試験が必要であろう。【片山茂裕

●目的 糖尿病患者の親族のうち,糖尿病の5年発症リスクが26~50%の症例に対する経口インスリンの発症抑制または予防効果を検討した。
一次エンドポイントは糖尿病発症。
●デザイン 無作為,二重盲検,プラセボ対照,多施設(米国,カナダ)。
●試験期間 追跡期間は4.3年(中央値)。1994年2月15日スクリーニング開始。登録期間は1996年9月10日~2002年10月31日。
●対象患者 372例:糖尿病患者の一親等および二親等親族(103391人)のうち,糖尿病の5年予測発症リスクが26~50%の例。3~45歳(一親等),3~20歳(二親等):中央値10.25歳。
登録基準:膵島細胞抗体陽性,静脈内ブドウ糖負荷試験(IVGTT)に対する第1相インスリン反応が閾値以上およびOGTT所見正常。
●方法 対象者を,経口インスリン(7.5mg/日)群(186例)とプラセボ群(186例)にランダム化し,糖尿病の発症を追跡。
OGTTを6ヵ月ごとに実施。IVGTTをベースライン時,以後1年ごと,試験終了時に実施。食事負荷試験をベースライン時,3年後,試験終了時に実施。
●結果 糖尿病の発症を認めたのは,経口インスリン群44例,プラセボ群53例で,年間発症率は両群で同等であった(6.4 vs 8.2%,ハザード比[HR]0.764,95%CI 0.511-1.142,p=0.189)。
インスリン自己抗体(IAA)値≧80nU/mLの症例(263例)におけるサブ解析では,経口インスリン群で糖尿病発症予防効果が認められ(年間発症率:6.2 vs 10.4%,HR 0.566,95%CI 0.361-0.888,p=0.015),逆にIAA値<80nU/mLの症例(109例)では,経口インスリン群において発症率が増加した(6.9 vs 2.7%,HR 2.702,95%CI 0.949-7.694,p=0.079)。
●結論 1型糖尿病発症の高リスク例において,経口インスリン治療による糖尿病発症抑制または予防効果は認められなかった。しかし,IAA高値のサブグループにおいては発症抑制効果が認められたことから,同様のサブグループを特定し,経口インスリン治療の有効性を検討することが必要である。