編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Adler AI, Stevens RJ, Manley SE, Bilous RW, Cull CA, Holman RR, UKPDS GROUP: Development and progression of nephropathy in type 2 diabetes: the United Kingdom Prospective Diabetes Study (UKPDS 64). Kidney Int 2003; 63: 225-232. [PubMed]

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●目的 2型糖尿病患者において,糖尿病診断から腎症の進展(微量アルブミン尿,蛋白尿,血漿クレアチニン高値または腎代償療法[RRT])および死亡までの経過を検討した。
●デザイン コホート。
●試験期間 試験期間は1977~1997年。追跡期間は10.4年(中央値)。
●対象患者 5097例:UKPDSの参加者(新規2型糖尿病[2回の測定で空腹時血糖値>108mg/dL]患者5102例,25~65歳)のうち,尿中アルブミン値の測定が可能であった例。平均52.1歳。
除外基準:腎症(血漿クレアチニン値>175μmol/L)。過去1年の心筋梗塞の既往。心不全。悪性高血圧。
●方法 血漿クレアチニン値および尿中アルブミン値を毎年測定し,腎症の進展(腎症なし,微量アルブミン尿[2回の測定で50~299mg/L],蛋白尿[2回の測定で≧300mg/L],血漿クレアチニン高値[≧175μmol/L]またはRRT[透析,腎移植])および死亡を追跡。
●結果 腎症の年間進展率は,腎症なしから微量アルブミン尿は2.0%(95%CI[以下同]1.9-2.2%),微量アルブミン尿から蛋白尿は2.8%(2.5-3.2%),蛋白尿から血漿クレアチニン高値またはRRTは2.3%(1.5-3.0%)であった。
年間死亡率は,腎症なし1.4%(1.3-1.5%),微量アルブミン尿3.0%(2.6-3.4%),蛋白尿4.6%(3.6-5.7%),血漿クレアチニン高値またはRRT 19.2%(14.0-24.4%)であった。蛋白尿を有する患者においては,腎症進展率よりも死亡率のほうが高かった。また,いずれの腎症においても死亡の主な原因は心血管疾患であり,腎症の進展とともに心血管死も増加する傾向を認め(p<0.0001),年間心血管死亡率は,腎症なし0.7%,微量アルブミン尿2.0%,蛋白尿3.5%,血漿クレアチニン高値またはRRT 12.1%であった。
糖尿病診断から10年後の微量アルブミン尿の有病率は24.9%(23.3-26.5%),蛋白尿は5.3%(4.5-6.1%),血漿クレアチニン高値またはRRTは0.8%(0.5-1.1%)であった。
●結論 2型糖尿病患者において,診断後10年時には約4分の1が微量アルブミン尿に進展していた。蛋白尿に進展する患者は比較的少ないが,それらの患者においては,腎症が進展するよりも死亡率のほうが高かった。