編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Waden J, Tikkanen H, Forsblom C, Fagerudd J, Pettersson-Fernholm K, Lakka T, Riska M, Groop PH, FinnDiane Study Group: Leisure time physical activity is associated with poor glycemic control in type 1 diabetic women: the FinnDiane study. Diabetes Care 2005; 28: 777-782. [PubMed]

2型糖尿病患者においては,身体活動量が血糖コントロールをよくするとの多くの報告があるが,1型糖尿病患者では必ずしも十分なエビデンスがない。FinnDianeに参加した1型糖尿病患者1030例における今回の結果は,横断研究ではあるが,1型糖尿病患者においても身体活動量が血糖コントロールやインスリン使用量に影響を及ぼすことを示したといえる。男女差については,運動量や運動回数の差によるのかもしれない。【片山茂裕

●目的 成人1型糖尿病患者において,余暇における身体活動(LTPA)と血糖コントロール,インスリン用量,インスリン感受性の関係を検討した。
アウトカムはHbA1c値,インスリン用量,推定糖処理率(eGDR)。
●デザイン 横断研究,多施設。
●試験期間 解析時期は2004年3月。
●対象患者 1030例:FinnDianeに参加した1型糖尿病患者のうち,12ヵ月間のLTPAに関する質問票調査を完了した例。男性482例,女性548例。
登録基準:診断時年齢<35歳,診断後1年以内にインスリン治療を開始,血清Cペプチド値<0.20nmol/L。
除外基準:末期腎不全。
●方法 質問票調査で得られた過去12ヵ月間のLTPAの頻度,1回あたりの時間,強度をもとに代謝当量(MET)を算出し,対象患者を低活動群(<10MET時間/週:247例),中等度活動群(10~40MET時間/週:568例),活動群(>40MET時間/週:215例)に分類。HbA1c値,インスリン用量,eGDR(ウェスト-ヒップ比,高血圧,HbA1c値に基づいたインスリン感受性の指標)を比較。
●結果 LTPAは,女性ではHbA1c値と負の相関を示したが(r=-0.12,p=0.007),男性では相関は認められなかった(r=-0.03,p=0.592)。
HbA1c値は,女性では低活動群(8.8%)で中等度活動群(8.3%)および活動群(8.3%)に比して有意に高値であったが(p=0.004),男性では有意差は認められなかった(それぞれ8.4,8.2,8.2%;p=0.844)。インスリン用量は,男性では活動的なほど有意に少なかった(それぞれ0.74,0.71,0.68IU/kg/24時間;p=0.003)。eGDRは,男女とも低活動群で中等度活動群および活動群に比してより低かった(全例の中央値[四分位範囲]:それぞれ5.5[4.0~8.2],6.8[4.7~8.8],6.7[4.6~8.6]mg/kg/分;p<0.01)。
LTPAが血糖コントロールに及ぼす影響は,年齢,肥満,喫煙,インスリン用量,社会的地位,糖尿病性腎症,心血管疾患とは関係していなかった。
●結論 1型糖尿病患者において,女性ではLTPA低値は血糖コントロール不良と相関を示し,活動的な男性ではインスリン用量がより少なかった。また性別にかかわらず,LTPAの増加はインスリン感受性の増大と相関を示した。1型糖尿病患者におけるLTPAの影響を明らかにするためには,縦断研究が必要と考えられる。