編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Tenenbaum A, Motro M, Fisman EZ, Tanne D, Boyko V, Behar S: Bezafibrate for the secondary prevention of myocardial infarction in patients with metabolic syndrome. Arch Intern Med 2005; 165: 1154-1160. [PubMed]

冠動脈疾患を有する患者で行われたBIP試験では,PPARαのリガンドであるbezafibrateが,高中性脂肪血症(≧200mg/dL)の患者でMIの再発リスクを減少させたことがすでに報告されている。
今回のメタボリックシンドロームを有する患者におけるサブ解析では,bezafibrate開始1年後にHDL-C値が約5mg/dL上昇し,中性脂肪値が44mg/dL,LDL-C値が5mg/dL,空腹時血糖値が2mg/dL低下し,この差は試験期間にわたって継続して認められている。今回認められたbezafibrateのMI再発予防効果は,スタチン系薬剤を用いて行われた試験での成績に匹敵するものであり,メタボリックシンドロームの高中性脂肪血症の治療におけるフィブラートの意義を示すものといえる。【片山茂裕

●目的 メタボリックシンドロームを有する冠動脈疾患患者において,心筋梗塞(MI)発症に対するbezafibrate(フィブラート)の長期的な有効性を検討した。
主要エンドポイントは致死性MI,非致死性MI,突然死。
●デザイン プラセボ対照,多施設。
●試験期間 登録期間は1990年5月~1993年1月。追跡終了は1998年5月(イベント)または2000年3月(死亡)。平均追跡期間は6.2年(イベント)または8.1年(死亡)。
●対象患者 1470例:BIPの参加者(45~74歳,過去6ヵ月~5年にMIの既往を有する者および/または安定狭心症患者3122例)のうちメタボリックシンドローム患者。42~74歳。
・メタボリックシンドロームは,以下のリスク因子のうち3つ以上を有する者とした:空腹時血糖値≧110mg/dLまたは経口血糖降下薬の服用中;トリグリセリド(TG)値≧150mg/dL;HDL-C値<40mg/dL(男性)または<50mg/dL(女性);SBP≧130mmHgまたはDBP≧85mmHg;BMI≧28.0kg/m²。
除外基準:ペースメーカー植込み術,脳血管疾患,慢性肝または腎疾患,末梢血管疾患,悪性疾患,エストロゲン治療,1型糖尿病,脂質低下薬の服用中。
●方法 本解析は,患者をbezafibrate 400mg/日群とプラセボ群にランダム化したBIP試験のpost hoc解析として実施された(解析対象は,bezafibrate群740例,プラセボ群730例)。
●結果 追跡期間に193例が新規MIを発症した(bezafibrate群82例[11.1%] vs プラセボ群111例[15.2%],HR[ハザード比]0.71,95%CI 0.54-0.95,p=0.02)。致死性MIの発症は両群とも低かったが(1.9 vs 1.5%),非致死性MI(70例[9.5%] vs 101例[13.8%],HR 0.67,95%CI 0.49-0.91,p=0.009)および主要エンドポイント(104例[14.1%] vs 134例[18.4%],HR 0.75,95%CI 0.58-0.97,p=0.03)は,bezafibrate群で有意に減少していた。またMIの減少に伴って,心臓死もbezafibrate群で減少傾向が認められた(63例[8.5%] vs 84例[11.5%],HR 0.74,95%CI 0.54-1.03,p=0.056)。
メタボリックシンドロームのリスク因子を4~5個有する575例の検討では,bezafibrateによる心臓死の減少がきわめて顕著であった(16例[5.6%] vs 35例[12.2%],HR 0.44,95%CI 0.25-0.80,p=0.005)。
●結論 メタボリックシンドローム患者において,新規MI発症に対するbezafibrateの長期的な有効性が示された。