編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Marre M, Puig JG, Kokot F, Fernandez M, Jermendy G, Opie L, Moyseev V, Scheen A, Ionescu-Tirgoviste C, Saldanha MH, et al: Equivalence of indapamide SR and enalapril on microalbuminuria reduction in hypertensive patients with type 2 diabetes: the NESTOR Study. J Hypertens 2004; 22: 1613-1622. [PubMed]

ACE阻害薬が微量アルブミン尿を減少させ,糖尿病性腎症の進展を遅延させることは,多くの試験で証明されている。今回の検討では,サイアザイド類似薬であるindapamide徐放剤でも,血圧を137/81mmHgに低下させると,enalaprilと同等の微量アルブミン尿の減少効果を示した。このことは,腎症の進展防止には血圧を低下させることが重要であることを示している。ただ,利尿薬群ではACE阻害薬群に比べてHbA1c値が0.5%高値となったことには留意する必要がある。【片山茂裕

●目的 高血圧および微量アルブミン尿を有する2型糖尿病患者において,利尿薬indapamide徐放剤とACE阻害薬enalaprilの微量アルブミン尿抑制効果を比較した。
●デザイン 無作為,二重盲検,ダブルダミー,多施設(18ヵ国*),intention-to-treat解析。
*Argentina,Belgium,Brazil,Denmark,Finland,France,Hungary,Israel,Mexico,Poland,Portugal,Romania,Russian Federation,South Africa,Spain,UK。
●試験期間 登録期間は1997年4月~2000年1月。試験期間は1年。
●対象患者 570例:本態性高血圧(SBP140~180mmHgかつDBP<110mmHg)を有し,過去1年以内に発現した微量アルブミン尿を認める2型糖尿病患者。35~80歳(平均60.0±9.9歳)。男性64%。
登録基準:糖尿病治療(食事療法および/または経口血糖降下薬)が3ヵ月以上不変。run-in期間の尿中アルブミン排泄20~200μg/分。
除外基準:重度高血圧。BMI>40kg/m²。心電図所見における心室調律異常。尿路感染症。血尿または白血球尿。血漿クレアチニン値>1.7mg/dL。血清カリウム濃度<3.5mmol/Lまたは>5.5mmol/L。尿酸値>9.0mg/dL。カリウムサプリメントまたはインスリンの投与。ACE阻害薬または利尿薬に対する不耐症。
●方法 4週のrun-in期間(プラセボ投与)後,患者をindapamide(徐放剤1.5mg/日)群(284例)とenalapril(10mg/日)群(286例)にランダム化し,52週投与。目標血圧(140/85mmHg)を達成するため,6週目から必要に応じてオープンラベルのCa拮抗薬amlodipine,β遮断薬atenolol,あるいは両剤を追加併用。
●結果 尿中アルブミン・クレアチニン比は両群とも有意に低下し,その低下度はindapamide群35%(95%CI 24-43%),enalapril群39%(95%CI 30-47%)と同等であった(one-sided equivalence test 1.08,95%CI 0.89-1.31%,p=0.01)。
SBP,DBP,平均動脈圧は両群とも有意に低下した(p<0.001)。平均動脈圧の低下度は両群で同等であった(16.6±9.0 vs 15.0±9.1mmHg)。SBPの低下度はindapamide群で有意に大きかった(-23.8±13.3 vs -21.0±14.3mmHg,p=0.0245)。
両群とも50%以上の患者(143例,162例)が降圧薬の追加併用を要し,その併用状況に群間差はなかった。両剤の忍容性は良好で,予期せぬ有害事象はみられなかった。
●結論 高血圧を有する2型糖尿病患者において,indapamide徐放剤ベースの降圧療法による微量アルブミン尿抑制効果は,enalaprilベースの降圧療法と同等であることが示された。