編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Ronnback M, Fagerudd J, Forsblom C, Pettersson-Fernholm K, Reunanen A, Groop PH, Finnish Diabetic Nephropathy (FinnDiane) Study Group: Altered age-related blood pressure pattern in type 1 diabetes. Circulation 2004; 110: 1076-1082. [PubMed]

1型糖尿病患者では対照群に比べ,加齢による血圧上昇および脈圧上昇が顕著であり,これが心血管疾患の発症および心血管死に関与していると結論づけられているが,本試験の対象者は1型糖尿病とはいえ平均BMIが25以上であり,そのまま日本人に当てはめるのはやや困難と思われる。【河盛隆造

●目的 加齢による血圧の変化に対する1型糖尿病の影響を検討した。
●デザイン 横断研究,ケースコントロール,多施設。
●試験期間 登録期間は~2002年10月31日。
●対象患者 8474例:FinnDiane に参加した1型糖尿病患者のうち18~64歳であった2988例およびHealth 2000(国民健康調査)の参加者から無作為に選出された<75歳の非糖尿病患者(対照例)5486例。
登録基準:発症時年齢<36歳。診断後1年以内にインスリン投与開始。
●方法 水銀血圧計を用いて座位血圧を2回測定し,その平均値を同年齢層の糖尿病患者と対照例で比較。
●結果 SBPは,すべての年齢層の男女で糖尿病患者が対照例に比して高かった。DBPは,<35歳の男性および<40歳の女性では糖尿病患者が対照例に比して高かったが,>45歳では男女とも糖尿病患者が対照例に比して低かった。したがって,糖尿病患者では対照例に比してすべての年齢層の男女で脈圧が高く,また収縮期高血圧の有病率が高かった。この加齢による脈圧の上昇は,腎症を有する糖尿病患者でより顕著であったが,尿中アルブミン排泄率が正常な糖尿病患者でも対照例に比してすべての年齢層で高値であった。多変量解析では,糖尿病患者の脈圧は年齢(p<0.001),男性(p=0.001),糖尿病罹病期間(p<0.001),アルブミン尿(p<0.001)と有意な相関を示した。
●結論 1型糖尿病患者では,SBP上昇および若年からのDBP低下により,脈圧がより急速に上昇していた。これらの知見は,1型糖尿病患者で動脈の急速な老化が起こっていることを示唆しており,そのことがこれらの患者における心血管疾患発症および心血管死の増加に関与していると考えられる。