編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Pyorala K, Ballantyne CM, Gumbiner B, Lee MW, Shah A, Davies MJ, Mitchel YB, Pedersen TR, Kjekshus J, Scandinavian Simvastatin Survival Study (4S): Reduction of cardiovascular events by simvastatin in nondiabetic coronary heart disease patients with and without the metabolic syndrome: subgroup analyses of the Scandinavian Simvastatin Survival Study (4S). Diabetes Care 2004; 27: 1735-1740. [PubMed]

4Sに参加した患者のうち,糖尿病患者を除いて(糖尿病患者はもともとCHDの高リスクであり,経口血糖降下薬がトリグリセリドに影響を与えるなどの理由で),メタボリックシンドロームの有無が全死亡やCHD発症率にどのような影響を与えるかを検討した重要な解析である。
メタボリックシンドロームの存在は,有意差には至らなかったものの,全死亡・主要冠イベント・CHDイベントの相対リスクをより低下させた。さらに絶対リスクの減少はより大きかった。これらの結果は,メタボリックシンドロームにおいても,スタチン系薬剤の投与が有効であることを示している。【片山茂裕

●目的 非糖尿病の冠動脈心疾患(CHD)患者において,HMG-CoA還元酵素阻害薬simvastatinの心血管イベントリスクに対する有効性を,メタボリックシンドロームの有無により比較した。
一次エンドポイントは全死亡。二次エンドポイントは主要冠イベント。三次エンドポイントはすべてのCHDイベント,すべての動脈硬化イベント,心筋血行再建術。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検,多施設(Denmark,Finland,Iceland,Norway,Swedenの94施設)。
●試験期間 追跡期間は5.4年(中央値)。
●対象患者 3933例:4Sの参加者のうち,糖尿病を有さず,メタボリックシンドロームに関するデータの得られた例。
登録基準:35~70歳。心筋梗塞または狭心症の既往。血清総コレステロール値212~309mg/dL。血清トリグリセリド(TG)値)≦220mg/dL。
●方法 本解析は,患者をsimvastatin(20~40mg/日)群とプラセボ群にランダム化した4S試験のサブグループ解析として実施された。
対象患者を,メタボリックシンドローム例893例(simvastatin群423例,プラセボ群470例)と非メタボリックシンドローム例3040例(1532例,1508例)に分類し,エンドポイントの発生率を比較。
●結果 simvastatin群において,血清脂質(LDL-C,TG,HDL-C)値の変化は,メタボリックシンドローム例と非メタボリックシンドローム例で同等であった。
各エンドポイントの相対リスク(simvastatin群 vs プラセボ群)は,メタボリックシンドローム例では全死亡0.54(95%CI 0.36-0.82),冠動脈死0.39(95%CI 0.23-0.65),主要冠イベント0.59(95%CI 0.45-0.77),すべての動脈硬化イベント0.69(95%CI 0.56-0.84)であり,非メタボリックシンドローム例では全死亡0.72(95%CI 0.56-0.91),冠動脈死0.62(95%CI 0.45-0.84),主要冠イベント0.71(95%CI 0.61-0.82),すべての動脈硬化イベント0.76(95%CI 0.68-0.85)であった。これらのリスクに関して両例に有意差は認められなかったが,エンドポイント1件/年の予防に要する患者数(NNT)はメタボリックシンドローム例で少なく,絶対リスクの低下度はメタボリックシンドローム例でより大きかった。
●結論 非糖尿病のCHD患者において,simvastatinの相対的な心血管イベント抑制効果は,メタボリックシンドロームの有無にかかわらず同等であった。しかし,絶対的な抑制効果は,絶対リスクがより増大しているメタボリックシンドローム例でより大きいと考えられる。