編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Fox CS, Sullivan L, D'Agostino RB, Wilson PW: The significant effect of diabetes duration on coronary heart disease mortality: the Framingham Heart Study. Diabetes Care 2004; 27: 704-708. [PubMed]

CHDの初回イベントと糖尿病罹病期間の関係を,他のリスク因子を補正して解析した試験。これまでの報告では,罹病期間とCHD発症の関係はcontroversialであり,多数例で追跡された本試験の結果は意義深い。しかし,平均BMIが29~30の白人の結果をそのままアジア人に適用することは問題があろう。【河盛隆造

●目的 2型糖尿病の罹病期間が冠動脈心疾患(CHD)の罹病率および死亡率に及ぼす影響を検討した。
●デザイン 疫学。
●試験期間 追跡期間は12年。
●対象患者 588例:Framingham Heart Studyのオリジナルコホートおよびオフスプリングコホートのうち,糖尿病(空腹時血糖値≧126mg/dL,随時血糖値≧200mg/dL,経口高血糖薬またはインスリンの投与)を認める例。平均58±9歳。男性56%。
登録基準:糖尿病診断時30~74歳。ケトアシドーシスの既往なし。ベースライン時に心血管疾患を認めない。
●方法 CHDイベントおよびCHD死の発生を追跡し,Cox比例ハザードモデルを用いてそれらのリスクと糖尿病の罹病期間との関係を評価。
●結果 CHDイベントの発生は86件で,うち36件は死亡に至った。
年齢,性別,CHDのリスク因子を補正後の解析では,糖尿病の罹病期間が10年長くなるごとにCHDイベントのリスクは1.38倍(95%CI 0.99-1.92)に増大し,CHD死のリスクは1.86倍(95%CI 1.17-2.93)に増大した。
●結論 糖尿病の罹病期間の延長は,その他のリスク因子にかかわらず,CHD死のリスクを増大させた。このリスク増大の病態生理学的なメカニズムを明らかにするためには,さらなる研究が必要である。