編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Soedamah-Muthu SS, Chaturvedi N, Toeller M, Ferriss B, Reboldi P, Michel G, Manes C, Fuller JH, EURODIAB Prospective Complications Study Group: Risk factors for coronary heart disease in type 1 diabetic patients in Europe: the EURODIAB Prospective Complications Study. Diabetes Care 2004; 27: 530-537. [PubMed]

1型糖尿病患者におけるCHDリスクは,男性4倍,女性8倍といわれている。本試験でも,このような男女差が認められた。男女ともアルブミン尿が大きなCHDリスク因子となったが,ウェスト-ヒップ比や喫煙は男性でのみ,血中脂質濃度や血圧は女性でのみリスク因子となった。これらの差異についてはさらに検討の必要があるが,臨床の場では十分に留意しておく必要がある。【片山茂裕

●目的 1型糖尿病患者において,冠動脈心疾患(CHD)のリスク因子を検討し,男女間の相違を検討した。
●デザイン 疫学,横断研究,多施設(欧州16ヵ国)。
●試験期間 追跡期間は7年。登録期間は1989~1991年。
●対象患者 2329例:CHDの既往がない1型糖尿病(診断時年齢<36歳,診断後1年以内にインスリンの継続投与を要する)患者。15~60歳。
除外基準:罹病期間<1年。妊娠中。
●方法 CHD(心筋梗塞,狭心症,CABGの施行および/またはミネソタコードによる心電図上の虚血所見または致死性CHD)の発症を追跡し,ベースライン時の患者背景との関係を男女別に検討した。
●結果 追跡期間中に151例がCHDを発症し,7年後におけるCHDの発症率は,男性8.0/1000人・年,女性10.2/1000人・年であった。
Cox比例ハザードモデルを用いた単変量解析では,年齢および/または罹病期間を補正後のCHDのリスク因子は,男性では年齢,グリコヘモグロビン値,ウェスト-ヒップ比(WHR),HDL-C値,喫煙習慣,尿中アルブミン排泄率(AER),自律神経ニューロパシー,女性では年齢,SBP,空腹時トリグリセリド(TG)値,AER,網膜症であった。また,多変量解析によるCHDの予測因子は,年齢(ハザード比[以下同]:男女とも1.5),AER(男性1.3,女性1.6),WHR(男性のみ1.3),喫煙習慣(男性のみ1.5),空腹時TG値(女性のみ1.3)またはHDL-C値(女性のみ0.74),SBP(女性のみ1.3)であった。
●結論 本試験の結果は,1型糖尿病患者において,ベースライン時のアルブミン尿がCHD発症の強力な予測因子であるというエビデンスを支持するものである。さらに,性別に特異的なリスク因子(SBP,空腹時TG値[またはHDL-C値],WHRなど)も,CHD発症の予測に重要であることが示された。