編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Souchet T, Durand Zaleski I, Hannedouche T, Rodier M, Gaugris S, Passa P, RENAAL study: An economic evaluation of Losartan therapy in type 2 diabetic patients with nephropathy: an analysis of the RENAAL study adapted to France. Diabetes Metab 2003; 29: 29-35. [PubMed]

AII受容体拮抗薬は他の降圧薬と比べると高価である。しかし費用対効果でみると,医療費の大きな削減につながることが明らかにされた。【片山茂裕

●目的 2型糖尿病の終末期腎不全(ESRD)に対する有効性が証明されたAII受容体拮抗薬losartan治療について,フランスのデータを用いて費用対効果を検討した。
エンドポイントは血清クレアチニン値上昇(2倍),ESRD,死亡の複合イベント。
●デザイン 無作為,二重盲検,プラセボ対照,多施設,intention-to-treat解析。
●試験期間 試験期間は4年。追跡期間は平均3.4年。
●対象患者 1513例:腎症を伴う2型糖尿病患者。
登録基準:尿中アルブミン・クレアチニン比>300mg/gまたは蛋白尿>500mg/日,血清クレアチニン値1.3~3.0mg/dL。
●方法 患者を,losartan 50~100mg/日群(751例)とプラセボ群(762例)にランダム化。
4年間のlosartan治療費用,ESRD治療費用(透析費用),総費用(両費用の合計)を算出し,losartan群とプラセボ群で比較した。
・RENAALの結果:losartan群では,プラセボ群に比し複合イベントのリスクが16%減少し(p=0.02),ESRDへの進展リスクが28%減少した(p=0.002)。
●結果 4年間のlosartan治療費用は1例あたり1603ユーロであった。
4年間のESRD罹患日数は,losartan群でプラセボ群に比して1例あたり46.9日減少し(95%CI 19.1-74.7日,p=0.009),したがって4年間のESRD治療費用は,losartan群でプラセボ群に比して1例あたり7438ユーロ少なかった(95%CI 3029-11847ユーロ,p=0.001)。
4年間の総費用は,losartan群でプラセボ群に比して1例あたり5834ユーロ少なかった(95%CI 1407-10301ユーロ,p=0.01)。
●結論 腎症を伴う2型糖尿病患者において,losartan治療により,ESRDの発症を抑制するのみでなく,医療費の低減も得られることが示された。