編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Schram MT, Chaturvedi N, Schalkwijk C, Giorgino F, Ebeling P, Fuller JH, Stehouwer CD, EURODIAB Prospective Complications Study: Vascular risk factors and markers of endothelial function as determinants of inflammatory markers in type 1 diabetes: the EURODIAB Prospective Complications Study. Diabetes Care 2003; 26: 2165-2173. [PubMed]

糖尿病の血管合併症に,血糖・高脂血症・高血圧・肥満に加えて,炎症や血管内皮細胞障害のマーカーとされる接着因子が関与することを示した重要な検討である。1型のみならず2型糖尿病でも,同様のことが報告されつつある。【片山茂裕

●目的 1型糖尿病患者において,炎症活性の決定因子を検討した。
●デザイン ケースコントロール,多施設。
●試験期間 -
●対象患者 543例:EURODIABの登録患者(診断時年齢<36歳で,診断後1年以内にインスリンの継続投与を要した欧州の1型糖尿病患者)のうち,炎症性マーカーおよび内皮障害マーカーの測定値が得られた例。糖尿病性合併症あり(ケース症例)348例,糖尿病性合併症なし(対照症例)195例。
●方法 3つの炎症性マーカー(C反応性蛋白,インターロイキン-6,腫瘍壊死因子-α)の値を合わせて「炎症マーカーの全般的スコア」とし,炎症活性の指標とした。多変量線形回帰分析を用いて,炎症マーカーの全般的スコアと,内皮障害マーカー(可溶型血管細胞接着分子[VCAM]-1,可溶型E-セレクチン)および血管リスク因子との関係を評価した。
●結果 炎症マーカーの全般的スコアは以下の血管リスク因子と相関していた:性別(標準回帰係数[以下同]0.15,p=0.002),糖尿病の罹病期間(0.15,p=0.006),血糖コントロール(HbA1c:0.18,p<0.0001),糖化最終産物(ペントシジン:0.12,p=0.005),BMI(0.10,p=0.057),HDL-C(-0.15,p=0.001),トリグリセリド(0.16,p<0.0001),SBP(0.09,p=0.042)。
また,炎症マーカーの全般的スコアは可溶型VCAM-1(0.28,p<0.0001)および可溶型E-セレクチン(0.19,p<0.0001)とも強い相関を有していた。
●結論 1型糖尿病患者において,従来の血管疾患のリスク因子および内皮接着分子は,炎症活性の重要な決定因子であることが示された。このことから,1型糖尿病患者の炎症活性を抑制するためには,従来のリスク因子のコントロールのみでなく,内皮機能の改善にも注目すべきであることが示唆される。