編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Chiasson JL, Josse RG, Gomis R, Hanefeld M, Karasik A, Laakso M, STOP-NIDDM Trial Research Group: Acarbose treatment and the risk of cardiovascular disease and hypertension in patients with impaired glucose tolerance: the STOP-NIDDM trial. JAMA 2003; 290: 486-494. [PubMed]

STOP-NIDDMの主要目的は2型糖尿病発症抑制であり,心血管疾患については副次目的である。また,早期ドロップアウトが多く,特にacarbose群に著しい。ただ,これらの欠点を差し引いても,食後高血糖の改善が心血管イベントの抑制につながる可能性を前向き介入試験で示したことには,大きな意義があるものと思われる。【河盛隆造

●目的 耐糖能異常(IGT)患者において,αグルコシダーゼ阻害薬acarbose投与による食後高血糖の減少が,心血管疾患および高血圧のリスクに及ぼす影響を検討した。
主要アウトカムは主要心血管イベント(冠動脈心疾患[心筋梗塞,狭心症,血行再建術],心血管死,うっ血性心不全,脳血管イベント,末梢血管疾患),高血圧(≧140/90mmHg)。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検,多施設,多国間,intention-to-treat解析。
●試験期間 追跡期間は平均3.3年。登録期間は1995年12月~1998年7月。試験期間は1998年7月~2001年8月。
●対象患者 1429例:IGTを有する男女。40~70歳(平均54.5歳)。BMI 25~40kg/m²(平均30.9kg/m²)。空腹時血漿ブドウ糖値100~140mg/dL。
除外基準:過去6ヵ月の心血管イベント。
●方法 患者をacarbose(300mg/日[分3])群(714例)とプラセボ群(715例)にランダム化。全例に食事指導を実施し,定期的な運動を推奨。
心血管イベント発症および高血圧の新規発症を追跡。
●結果 IGTを有さないかランダム化後のデータが得られなかった61例(4%)を除外し,1368例(acarbose群682例,プラセボ群686例)を解析対象とした。このうち341例(24%)は早期に治療を中止した(acarbose群211例,プラセボ群130例)。
acarbose投与による食後高血糖の減少により,心血管イベント発症の相対リスクは49%低下し(ハザード比[HR]0.51,95%CI 0.28-0.95,p=0.03),絶対リスクは2.5%低下した。個々の心血管イベントのうち,特に顕著なリスク低下がみられたのは心筋梗塞であった(HR 0.09,95%CI 0.01-0.72,p=0.02)。高血圧の新規発症についても,acarbose投与により相対リスクが34%低下し(HR 0.66,95%CI 0.49-0.89,p=0.006),絶対リスクは5.3%低下した。主なリスク因子を補正後も,acarbose投与による心血管イベントリスクの低下(HR 0.47,95%CI 0.24-0.90,p=0.02)および高血圧リスクの低下(HR 0.62,95%CI 0.45-0.86,p=0.004)は有意であった。
●結論 IGT症例に対するacarbose投与は,心血管疾患および高血圧のリスクを有意に低下させることが示された。