編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Daimon M, Oizumi T, Saitoh T, Kameda W, Hirata A, Yamaguchi H, Ohnuma H, Igarashi M, Tominaga M, Kato T: Decreased serum levels of adiponectin are a risk factor for the progression to type 2 diabetes in the Japanese Population: the Funagata study. Diabetes Care 2003; 26: 2015-2020. [PubMed]

肥満者,糖尿病患者,高血圧患者で,血漿アディポネクチン濃度が低値であることが報告されている。本試験では,耐糖能正常者で,低アディポネクチン血症が糖尿病発症の独立したリスク因子となることが示された。【片山茂裕

●目的 日本人において,血漿アディポネクチン低値が2型糖尿病発症の独立したリスク因子であるか否かを検討した。
●デザイン 疫学。
●試験期間 追跡期間は5年。
●対象患者 1792例:舟形スタディの参加者(>35歳の山形県舟形町住民)3706例のうち,1995~1997年にベースライン値が得られた例。男性769例,女性1023例。平均58.5±12.5歳。
除外基準:脳血管疾患,検査の実施が困難な障害。
●方法 ベースライン時に血漿アディポネクチン値を測定。耐糖能をベースライン時および5年後に評価。
ベースライン時の患者背景と,血漿アディポネクチン値および2型糖尿病発症との関係を評価した。
●結果 患者背景のうち,血漿アディポネクチン値と最も強い相関を有していたのは加齢であった(r=0.312,p<0.001)。
ベースライン時の耐糖能正常(NGT)例(1458例)のうち,18例が5年後に糖尿病を発症し,709例はNGTを維持していた。これらの糖尿病発症例では,NGT維持例に比してベースライン時における血漿アディポネクチン値が有意に低かった(7.29±2.35 vs. 9.13±2.35 10×logμg/ml,p=0.009)。年齢,性別,ウェスト-ヒップ比,OGTT 2時間値を共変数とした多変量ロジスティック回帰分析では,血漿アディポネクチン値はNGT例における糖尿病発症の独立したリスク因子であった(オッズ比0.766[0.1 log μg/mlあたり],p=0.029)。また,NGT例のうち,血漿アディポネクチン値が下位1/3の症例では,上位1/3の症例に比して5年間の糖尿病発症リスクが9.320倍(95%CI 1.046-83.1)高かった(p=0.046)。
●結論 血漿アディポネクチン低値は,2型糖尿病発症の独立したリスク因子であることが示された。