編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Appel GB, Radhakrishnan J, Avram MM, DeFronzo RA, Escobar-Jimenez F, Campos MM, Burgess E, Hille DA, Dickson TZ, Shahinfar S, et al: Analysis of metabolic parameters as predictors of risk in the RENAAL study. Diabetes Care 2003; 26: 1402-1407. [PubMed]

AII受容体拮抗薬は,糖・脂質代謝や尿酸値に悪影響を与えず,むしろTC値およびLDL-C値は低下した。また,血清カリウム値の上昇もわずかであった。治療開始時のTC値,LDL-C値,TG値が高いほど,血清クレアチニンの2倍化やESRDの発生率が高いことが示された。このことは,腎症患者での高脂血症治療も重要であることを示唆している。【片山茂裕

●目的 腎症を伴う2型糖尿病患者において,AII受容体拮抗薬losartanの代謝パラメータに対する影響を検討し,ベースライン時の代謝パラメータと一次エンドポイントまたは末期腎不全(ESRD)との関係を検討した。
一次エンドポイントは,血清クレアチニン値上昇(2倍),ESRD,死亡の複合エンドポイント。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検。
●試験期間 -
●対象患者 1513例:腎症を伴う2型糖尿病患者。31~70歳。
●方法 6週のスクリーニング期間後,患者を蛋白尿レベルで層別化し,losaratan(50~100mg/日)群(751例),プラセボ群(762例)にランダム化。
・座位血圧<140/90mmHgに達しない場合,降圧薬(Ca拮抗薬,利尿薬,αまたはβ遮断薬,中枢性交感神経抑制薬)を併用。
・ベースライン時,および3ヵ月ごとに血糖コントロール(HbA1c値),血清脂質値(総コレステロール[TC],LDL-C,HDL-C,トリグリセリド[TG]),尿酸値,カリウム値を測定し,両群で比較。また,それらのベースライン値と,一次エンドポイントまたはESRD発生リスクとの関係を評価した。
●結果 losartanは,血糖コントロールおよび血清脂質値に悪影響を及ぼさなかった。
losartan群のTC値(ベースライン時227.4mg/dL,試験終了時195.4mg/dL)およびLDL-C値(ベースライン時142.2mg/dL,試験終了時111.7mg/dL)は,プラセボ群のTC値(それぞれ228.7mg/dL,205.2mg/dL)およびLDL-C値(それぞれ142.3mg/dL,119.1mg/dL)よりも低かった。losartan群ではプラセボ群に比して,血清カリウム値の平均が最大0.3mEq/L上昇したが,高カリウム血症による投与中止率は両群で同等であった。
単変量解析では,ベースライン時のTC値(p<0.001),LDL-C値(p<0.001),TG値(p=0.011)と一次エンドポイント発生リスクとの間に有意な相関を認め,またTC値(p<0.001)およびLDL-C値(p<0.001)はESRD発生リスクとの間にも有意な相関を認めた。
●結論 腎症を伴う2型糖尿病患者において,losartanの忍容性は全般的に良好で,代謝プロファイルに好影響を及ぼすことが示された。