編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Berl T, Hunsicker LG, Lewis JB, Pfeffer MA, Porush JG, Rouleau JL, Drury PL, Esmatjes E, Hricik D, Parikh CR, et al: Cardiovascular outcomes in the Irbesartan Diabetic Nephropathy Trial of patients with type 2 diabetes and overt nephropathy. Ann Intern Med 2003; 138: 542-549. [PubMed]

2001年に発表されたA href="trial/detail/50483.html">IDNT/A>では,顕性腎症を有する高血圧の2型糖尿病患者において,AII受容体拮抗薬が,一次エンドポイントである腎複合エンドポイント(血清クレアチニン値の2倍増加,末期腎不全,全死亡)を,プラセボあるいはCa拮抗薬群に比べて有意に減少させた。
本報告は,IDNTの二次エンドポイントである心血管複合エンドポイントについて詳述している。Ca拮抗薬が脳卒中や心筋梗塞をより減少させ,一方,AII受容体拮抗薬が心不全を減少させることが明らかにされている。顕性腎症患者での数少ない貴重なデータであるが,全死亡数や脳卒中などについてはイベントがやや少なく,また,利尿薬,β遮断薬,中枢性降圧薬が,それぞれ各群の100%,40~50%,30~40%に併用されていることには注意を要する。
片山茂裕

●目的 顕性腎症を有し,従来の降圧療法を受けている2型糖尿病患者において,AII受容体拮抗薬irbesartanまたはCa拮抗薬amlodipineを併用した場合の心血管イベントに対する有効性を,プラセボと比較した。
一次アウトカムは血清クレアチニン値の2倍増加(≧6.0mg/dL),末期腎不全,全死亡。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検,多施設。
●試験期間 追跡期間は2.6年(中央値)。
●対象患者 1715例:顕性腎症および高血圧を有する2型糖尿病患者。30~70歳。
登録基準:血清クレアチニン値1.0~3.0mg/dL(女性)または1.2~3.0mg/dL(男性),尿中蛋白排泄率≧900mg/日,座位血圧>135/85mmHg。
●方法 患者を,irbesartan(300mg/日)群(579例),amlodipine(10mg/日)群(567例),プラセボ群(569例)にランダム化。
・全例に,<135/85mmHgを目標としてACE阻害薬,AII受容体拮抗薬,Ca拮抗薬以外の降圧療法を実施。
・心血管複合イベント(心血管死,心筋梗塞,うっ血性心不全,脳卒中,冠動脈血行再建術)の発生を追跡。
●結果 心血管複合イベントについては,3群間に有意差を認めなかった。
各イベントについては,脳卒中はamlodipine群でプラセボ群に比して減少傾向を認め(ハザード比[HR]0.65,95%CI 0.35-1.22,p=0.18),心筋梗塞もamlodipine群でプラセボ群に比して有意に減少した(HR 0.58,95%CI 0.37-0.92,p=0.02)。うっ血性心不全は,irbesartan群でプラセボ群(HR 0.72,95%CI 0.52-1.00,p=0.048)およびamlodipine群(HR 0.65,95%CI 0.48-0.87,p=0.004)に比して有意に減少した。
●結論 顕性腎症を有し,従来の降圧療法を受けている2型糖尿病患者において,irbesartanまたはamlodipineを併用した場合の心血管複合イベントに対する有効性は,プラセボと差がなかった。