編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Herman WH, Shahinfar S, Carides GW, Dasbach EJ, Gerth WC, Alexander CM, Cook JR, Keane WF, Brenner BM: Losartan Reduces the Costs Associated With Diabetic End-Stage Renal Disease: The RENAAL study economic evaluation. Diabetes Care 2003; 26: 683-687. [PubMed]

RENAALは,AII受容体拮抗薬の腎保護作用を明らかにした画期的なものである。この論文は,医療経済の側面から検討したもので,losartanの投与によりESRD関連医療費が節減される可能性を示している。【河盛隆造

●目的 腎症を伴う2型糖尿病患者において,AII受容体拮抗薬losartan投与が終末期腎不全(ESRD)関連の医療費に及ぼす効果を検討した。
一次エンドポイントは血清クレアチニン(Cr)値上昇(2倍),ESRD,死亡の複合イベント。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検,多施設,intention-to-treat解析。
●試験期間 追跡期間は3.5年。
●対象患者 1513例:腎症を伴う2型糖尿病患者。
登録基準:尿中アルブミン・クレアチニン比≧300mg/gCr,血清Cr値1.3~3.0mg/dL。
●方法 患者を,losartan+従来の降圧療法(CT)群(751例),プラセボ+CT群(762例)にランダム化。
・CTは,ACE阻害薬およびAII受容体拮抗薬以外の,利尿薬,Ca拮抗薬,α遮断薬,β遮断薬,中枢性交感神経抑制薬のいずれかを投与または併用。
・ESRD罹病期間を腎症進展抑制の経済効果を推定する指標とし,ESRD罹病期間とその期間の治療費から,個々の患者におけるESRD関連費用を算出。また,1997年および1998年のU.S. Renal Data Systemのデータから,糖尿病患者のESRD関連費用を推定。ESRD関連費用とlosartan治療費の合計を総費用とした。
・費用はいずれも1年あたり3%を差し引き,2001年の米国における貨幣価値(注:2001年の平均レート1ドル=121.50円)で算出された。
●結果 losartan+CT群ではプラセボ+CT群に比して,3.5年間のESRD罹病期間が1例あたり33.6日短縮し(p=0.004,95%CI 10.9-56.3),それによりESRD関連費用は1例あたり624,996円減少した(p=0.003,95%CI 206,672-1,043,321)。losartan治療費を除くと,ESRD罹病期間の短縮による3.5年間の費用の減少は,1例あたり427,923円であった(p=0.041,95%CI 17,375-838,350)。
●結論 腎症を伴う2型糖尿病患者において,losartan投与はESRDの発症を抑制するだけでなく,医療費も低減した。