編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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DECODE Study Group, European Diabetes Epidemiology Group: Is the current definition for diabetes relevant to mortality risk from all causes and cardiovascular and noncardiovascular diseases? Diabetes Care 2003; 26: 688-696. [PubMed]

CVD死はOGTT 2時間値とともに直線的に増加することを再確認したDECODEの成績である。ただ,全死亡・CVD死・非CVD死とFPG,全死亡・非CVD死とOGTT 2時間値にはJカーブ現象があることは,今後留意すべきである。【片山茂裕

●目的 空腹時血漿ブドウ糖(FPG)値および75g OGTT 2時間値(2時間値)と,全死亡,心血管疾患(CVD)死,非CVD死との関係を評価し,その関係が段階的なものか,閾値があるものかについて検討した。
●デザイン 前向き,疫学。
●試験期間 追跡期間は11年(329050人・年)。
●対象患者 29714例:欧州で行われた22研究のベースライン時における血糖値のデータ。男性19337例,女性10377例。30~89歳。
●方法 全死亡,CVD死,非CVD死を追跡し,ベースライン時の血糖値との関係を評価した。
●結果 FPG値81~110mg/dL例と比較すると,多変量補正後のハザード比(HR)は,FPG低値例(<81mg/dL)で全死亡1.2(95%CI[以下同]1.0-1.4),CVD死1.3(1.0-1.8),非CVD死1.1(0.9-1.4),新規糖尿病例(FPG値≧126mg/dL)でそれぞれ1.6(1.4-1.8),1.6(1.3-1.9),1.6(1.4-1.9)であった。すなわち,FPG高値に加えFPG低値も死亡率の上昇と相関しており,FPG値と死亡率の関係はJ字曲線であった。
2時間値81~99mg/dL例と比較すると,同様のHRは,2時間低値例(54~81mg/dL)でそれぞれ1.1(1.0-1.2),1.1(0.9-1.3),1.1(1.0-1.3),新規糖尿病例(2時間値≧200mg/dL)でそれぞれ2.0(1.7-2.3),1.9(1.5-2.4),2.1(1.7-2.5)であった。すなわち,2時間値と全死亡および非CVD死の関係はJ字曲線であったが,2時間値とCVD死の関係は直線的であった。
既知の糖尿病例と比較すると,2時間値により新規に診断された糖尿病例ではいずれのHRにも有意差はみられなかったが,FPG値により新規に診断された糖尿病例では有意に低値であった。2時間値180~200mg/dL例の死亡リスクは,FPG値による糖尿病例(FPG値≧126mg/dL)とほぼ同等であった。
●結論 CVD死と2時間値の関係が段階的に増加するものであることを除き,死亡率と血糖値の関係はJ字曲線であり,死亡率上昇にとって血糖の閾値はないことが示された。