編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Hu FB, Sigal RJ, Rich-Edwards JW, Colditz GA, Solomon CG, Willett WC, Speizer FE, Manson JE: Walking compared with vigorous physical activity and risk of type 2 diabetes in women: a prospective study. JAMA 1999; 282: 1433-1439. [PubMed]

身体活動性と2型糖尿病発症の関連を検討した同様の研究に,ペンシルバニア大学の男性卒業生5990人を対象としたもの(New Engl J Med 1991; 325: 147-152.)がある。女性看護師を対象とした本研究でも,前期の研究と同様,身体活動性増加に伴い2型糖尿病発症リスクが低下する傾向がみられ,運動が性差に関係なく糖尿病一次予防に有効であることが示された。【河盛隆造

●目的 女性において,全身運動と2型糖尿病発症の関係を検討するとともに,ウォーキングとより強度の運動の有効性を比較した。
●デザイン 前向き,コホート。
●試験期間 追跡期間は8年(534928人・年)。
●対象患者 70102例:Nurses' Health Studyの対象者(米国在住の女性看護師)のうち,ベースライン時(1986年)に糖尿病,心血管疾患,癌を認めず,運動に関する質問表調査を完了した例。40~65歳。
●方法 1986年,1988年,1992年に運動に関する質問表調査を実施し,8種の一般的な運動を行った時間/週と通常の歩行速度を調査。それらに基づき,運動によるエネルギー消費量/週(METスコア)を算出。METスコアに従って対象を5群に分類し,それぞれの2型糖尿病発症リスクを評価。
●結果 追跡期間に1419例が2型糖尿病を発症した。年齢,喫煙,飲酒,高血圧既往,コレステロール高値既往などの多変数を補正後の2型糖尿病発症の相対リスク(RR)は,METスコア低値群から1.0,0.77,0.75,0.62,0.54(p for trend<0.001),さらにBMIを補正後は1.0,0.84,0.87,0.77,0.74(p for trend=0.002)で,運動量増加に従いリスクが低下する傾向を認めた。ウォーキング以外の運動をしなかった例の検討でも,2型糖尿病発症のRRはMETスコアの上昇に従い低下する傾向を認め(多変数を補正後:1.0,0.91,0.73,0.69,0.58[p for trend<0.001]),さらにBMIを補正後も同様であった(1.0,0.95,0.80,0.81,0.74[p for trend=0.01])。
より早い歩行速度も,糖尿病発症リスクの低下と独立した有意な相関を認めた。ウォーキングと強度の運動は,エネルギー消費量が同等の場合,同程度に糖尿病発症リスクを低下させた。
●結論 運動量の増加に伴い2型糖尿病発症リスクが有意に低下し,これはウォーキングなどの中等度の運動でも同様であることが示された。