編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Porta M, Sjoelie AK, Chaturvedi N, Stevens L, Rottiers R, Veglio M, Fuller JH; EURODIAB Prospective Complications Study Group: Risk factors for progression to proliferative diabetic retinopathy in the EURODIAB Prospective Complications Study. Diabetologia 2001; 44: 2203-2209. [PubMed]

1型糖尿病患者の増殖網膜症発症のリスクは,血糖コントロールが悪いほど連続的に増加しており,罹病期間や思春期前の発症,DBP高値などもリスクとなることが示された。【片山茂裕

●目的 増殖糖尿病網膜症(PDR)発症のリスク因子を検討した。
●デザイン 多施設,コホート,前向き。
●試験期間 追跡期間は6~8年(平均7.3年)。登録期間は1989~1991年。
●対象患者 2013例:EURODIAB登録患者(36歳以前に発症し,発症後1年以内にインスリン治療を必要とした1型糖尿病患者3250例)のうち,ベースライン時に眼底写真を撮影されたPDR未発症例。15~60歳。
●方法 ベースライン時および6~8年後に身体検査,生化学検査,眼底写真撮影,合併症の評価を実施した。
●結果 追跡期間中に眼底写真を撮影された1249例のうち,157例がPDRを発症した(累積発症率17.3/1000人・年,95%CI 13.6-21.1)。ベースライン時のHbA1c値の上昇に伴ってPDR発症リスクは増大し,これらの相関には閾値を認めなかった。
ロジスティック回帰モデルによる検討では,PDR発症の独立した有意な予測因子は,HbA1c値(標準化回帰係数[SRE]3.03,95%CI 2.49-3.69),糖尿病罹病期間(SRE 1.71,95%CI 1.42-2.06),診断時<12歳(SRE 1.66,95%CI 1.11-2.50),DBP≧83mmHg(SRE 1.50,95%CI 1.03-2.20),ウェストヒップ比(SRE 1.24,95%CI 1.04-1.47)であった。ベースライン時の網膜症発症例をモデルに含めると,有意な予測因子は,HbA1c値(SRE 3.24,95%CI 2.62-4.00)および診断時<12歳(SRE 1.62,95%CI 1.06-2.48)であった。さらにアルブミン排泄率を含めると,有意な予測因子はHbA1c値のみで(SRE 2.97,95%CI 2.40-3.68),診断時<12歳のSREは1.49(95%CI 0.94-2.33)に低下した。
●結論 血糖コントロールおよび糖尿病罹病期間はPDR発症の強力な予測因子であり,さらに思春期以前の糖尿病発症も独立したリスク因子であることが示された。