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Sosenko JM, Hu D, Welty T, Howard BV, Lee E, Robbins DC, Strong Heart Study: Albuminuria in recent-onset type 2 diabetes: the Strong Heart Study. Diabetes Care 2002; 25: 1078-1084. [PubMed]

微量アルブミン尿は,従来は糖尿病を発症して5~10年を経過して出現してくると考えられていた。最近,新たに糖尿病と診断される患者にも,すでに微量アルブミン尿を示す者がいることが報告されていた。
本検討は,糖尿病が発症して間もない1~2年の時期に,すでに微量アルブミン尿が出現することを前向き試験で明らかにした点で重要である。高血糖による過剰濾過による一時的なものなのか,興味がもたれる。【片山茂裕

●目的 2型糖尿病発症後早期におけるアルブミン排泄異常の発現率と,その発現に2型糖尿病が及ぼす影響について検討した。
●デザイン 前向き,コホート。
●試験期間 試験期間は1989年7月1日~1995年12月31日。追跡期間は3.91±0.95年。
●対象患者 782例:Strong Heart Studyの登録患者(4549例)のうち,ベースライン時の耐糖能およびアルブミン排泄が正常(アルブミン・クレアチニン比[ACR]<30mg/gCr)であった例。
登録基準:米国Arizona州,North Dakota州,South Dakota州,Oklahoma州在住のアメリカインディアン。45~74歳。
●方法 平均3.91年後に追跡調査を行い,2型糖尿病の発症およびアルブミン排泄異常(ACR≧30mg/gCr)の発現を評価した。ロジスティック回帰分析を用いてアルブミン排泄異常と各因子の相関を検討した。
●結果 追跡期間中に,アルブミン排泄異常発現は52例(6.6%),2型糖尿病発症は105例(13.4%)に認められた。
単変量解析では,アルブミン排泄異常発現例は正常例に比して,ベースライン時のACR(11.2 vs. 4.9mg/gCr;p<0.001),DBP(78 vs. 75mmHg;p<0.05),空腹時インスリン値(11.8 vs. 10.2mm/mL;p<0.05)が有意に高く,アメリカインディアンの伝統を継承している症例が有意に多かった(77 vs. 56%;p<0.01)。また,アルブミン排泄異常の発現率は,糖尿病発症例で非発症例に比して有意に高かった(18 vs. 5%;p<0.001)。
ロジスティック回帰分析でも,糖尿病(オッズ比[OR]3.45,p<0.001),ベースライン時のACR(OR2.71,p<0.001),ベースライン時のDBP(OR1.38,p<0.05),アメリカインディアンの伝統の継承状況(OR2.19,p<0.05)は,いずれもアルブミン排泄異常発現との間に有意な相関が認められた。
糖尿病発症例のみの単変量解析では,アルブミン排泄異常発現例で正常例に比して,追跡期間の空腹時血糖(FBG)値が有意に高かった(145 vs. 121mg/dL;p<0.05)。また,糖尿病発症例のロジスティック回帰分析でも,アルブミン排泄異常発現と追跡期間のFBG値の間に強い相関が認められた(OR1.13,p<0.01)。
●結論 2型糖尿病を発症後,数年以内に相当数の患者がアルブミン排泄異常を発現することが示された。また,発症時の2型糖尿病の重症度(FBG値)は,アルブミン排泄異常早期発現の重要なリスク因子であることが示された。