編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Wright A, Burden AC, Paisey RB, Cull CA, Holman RR; U.K. Prospective Diabetes Study Group: Sulfonylurea inadequacy: efficacy of addition of insulin over 6 years in patients with type 2 diabetes in the U.K. Prospective Diabetes Study (UKPDS 57). Diabetes Care 2002; 25: 330-336. [PubMed]

SUの二次無効の際,わが国ではαグルコシダーゼ阻害薬やビグアナイドの追加を行うか,インスリン治療への変更を図ることが多い。本研究では,SUを残したままインスリンを追加併用する治療法が提案され,その血糖コントロールや低血糖発症抑制に対する有効性が示された。【河盛隆造

●目的 最大用量のスルホニル尿素(SU)投与下で血糖コントロール不良の2型糖尿病患者において,インスリン追加併用の有効性を検討した。
●デザイン 無作為,多施設,intention-to-treat解析。
●試験期間 追跡期間は6年。登録期間は1987~1991年。
●対象患者 826例:UKPDSの23施設中,修正プロトコールを適用された8施設に受診した新規2型糖尿病患者(25~65歳,空腹時血糖[FPG]値>108mg/dL,急性疾患を有さない)のうち,3ヵ月のrun-in期間(食事療法を実施)後のFPG値が>108~270mg/dLの例。
除外基準:ケトン尿>0.3mg/dL。血清クレアチニン値>2.0mg/dL。過去1年の心筋梗塞。狭心症または心不全。重度の血管イベント。レーザー治療を要する網膜症。悪性高血圧。治癒していない内分泌疾患。インスリン治療が不可能な職業。致命的または全身治療を要する重度の併発疾患。
●方法 患者を,従来療法群(242例)と強化療法群(SU±インスリン群[339例],インスリン単独群[245例])にランダム化。
・従来療法群:主として食事療法を実施。
・SU±インスリン群:最大用量のSU(chlorpropamide 500mg/日[169例],glipizide 40mg/日[170例])投与下でFPG値>108mg/dLの場合,インスリンを追加併用。
●結果 6年後までに,SU±インスリン群の53%がインスリンの追加併用を要した。SU±インスリン群のHbA1c中央値は6.6%(四分位範囲[IQR]6.0-7.6)で,インスリン単独群(7.1%[IQR 6.2-8.0])に比して有意に低く(p=0.0066),またHbA1c値<7%の症例はSU±インスリン群で有意に多かった(47 vs. 35%;p=0.011)。ベースライン値を補正した体重増加の程度は両強化療法群で同等であったが,重度の低血糖はSU±インスリン群で有意に低かった(1.6 vs. 3.2%/年;p=0.017)。
●結論 最大用量のSU投与下で血糖コントロール不良の2型糖尿病患者において,早期のインスリン追加併用は,低血糖および体重増加をもたらすことなく,血糖コントロールを有意に改善した。