[HOMEに戻る]
Fernandez R, Puig JG, Rodriguez-Perez JC, Garrido J, Redon J; TRAVEND Study Group: Effect of two antihypertensive combinations on metabolic control in type-2 diabetic hypertensive patients with albuminuria: a randomised, double-blind study. J Hum Hypertens 2001; 15: 849-856. [PubMed]
-
●目的 | 高血圧とアルブミン尿を有する2型糖尿病患者において,Ca拮抗薬verapamilとACE阻害薬trandolaprilの併用療法,およびACE阻害薬enalaprilと利尿薬hydrochlorothiazideの併用療法の代謝コントロールおよびアルブミン尿に対する効果を比較検討した。 主要アウトカムは血圧の変化,24時間アルブミン尿,血糖値,HbA1c値。 |
---|---|
●デザイン | 無作為,二重盲検,多施設(スペイン),パラレル,前向き,intention-to-treat解析,per-protocol解析。 |
●試験期間 | 試験期間は6ヵ月。 |
●対象患者 | 103例:降圧薬の単剤療法で血圧コントロール不良(SBP≧140mmHgおよび/またはDBP≧90mmHg)かつネフローゼでないアルブミン尿(30~3000mg/日)が2回の検査で認められる2型糖尿病患者。 除外基準:二次性高血圧。薬物療法非施行または2種以上の降圧薬の併用。うっ血性心不全(NYHA IIIまたはIV)。血清クレアチニン>3mg/dL。ACE阻害薬またはCa拮抗薬に対する過敏症または不耐症。 |
●方法 | 単盲検でプラセボ投与のrun-in期間後,患者をverapamil+trandolapril(VT)群(51例)とenalapril+hydrochlorothiazide(EH)群(52例)に割付け。 ・run-in期間(4週):それまでの降圧薬を中止し,プラセボを投与。 ・治療期間(24週):VT群はverapamil SR 180mg/日とtrandolapril 2mg/日,EH群はenalapril 20mg/日とhydrochlorothiazide 12.5mg/日を投与。全例に,塩分と炭水化物の摂取を控えるよう食事指導を行った。 ・ベースライン時,12週時,24週時に血圧,アルブミン尿,HbA1c値,血糖値の測定,および血液生化学検査を行った。 |
●結果 | 試験完了例は93例(VT群48例,EH群45例)であった。 血圧はベースライン時の157.3±12.0/98.3±6.4mmHgから試験終了時には140.5±14.5/86.1±8.2mmHgと全体的に有意に低下し(p<0.001),アルブミン尿も508.6±693.8mg/24時間から253.4±517.2mg/24時間と全体的に有意に減少し(p<0.001),いずれもその低下の程度について両群間に有意差は認められなかった。 HbA1c値は,VT群ではベースライン時5.91±1.43%,試験終了時5.94±1.62%と改善はみられず,EH群ではむしろ上昇し(5.96±1.25%,6.41±1.51%),両群間に有意差が認められた(ANOVA interaction p=0.040)。試験終了時に良好な血糖コントロール(血糖値<126mg/dL)が得られた症例の割合は,VT群で72.7%(改善29.5%,悪化6.8%,p=0.021),EH群で50%(改善13.6%,悪化11.4%,p=1.000)であった。 体重,血清クレアチニン,尿酸,カリウム,コレステロール,トリグリセリド,血清アルブミンの変化については両群間に有意差は認められず,忍容性も同等であった。 |
●結論 | 単剤療法で血圧コントロール不良の2型糖尿病患者では,降圧効果およびアルブミン尿減少効果は両群で同等であった。しかし,代謝コントロールはVT群でより優れていた。 |
-
◤ 今月の注目文献
6/15更新
-
◤ 過去の注目文献
6/15更新
-
◎ 更新情報
6/15更新
Neuen BL, et al.―慢性腎臓病または心血管リスクが高い2型糖尿病患者における,SGLT2阻害薬の高カリウム血症リスクに対する効果
-
糖尿病トライアルデータベースは2001年にオープンしました。現在までに,1283件のトライアルを収載しています。