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Mehilli J, Kastrati A, Dirschinger J, Dotzer F, Pache J, Hausleiter J, Kramer W, Schuhlen H, Schomig A: Comparison of stenting with balloon angioplasty for lesions of small coronary vessels in patients with diabetes mellitus. Am J Med 2002; 112: 13-18. [PubMed]
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●目的 | 糖尿病患者の細い冠血管(血管径2.0~2.8mm)病変において,ステント植込み術とPTCAの効果を比較検討した。 一次エンドポイントは血管造影所見における再狭窄(≧50%の狭窄)。二次エンドポイントは臨床所見における再狭窄(1年以内の標的血管血行再建術[PTCAまたはCABG]施行)。 |
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●デザイン | 無作為,intention-to-treat解析。 |
●試験期間 | 追跡期間は1年。 |
●対象患者 | 100例:ISAR-SMARTの登録患者(血管造影所見で内径2.0~2.8mmの冠血管に重度病変[≧70%の狭窄]が認められる狭心症または運動誘発性虚血)404例のうち糖尿病を有する症例。ステント群51例,PTCA群49例。 除外基準:急性心筋梗塞(MI)。左主冠動脈の病変。ステント内再狭窄の病変。aspirin,ticlopidine(抗血小板薬),abciximab(GP IIb/IIIa受容体拮抗薬)に対する禁忌。 |
●方法 | 全例にaspirin 500mgおよびheparin 7500Uを静注。また,abciximab 0.25mg/kgをボーラス静注後,0.125μg/kg/分(最大10μg/分)で12時間持続静注。 30日後および1年後に電話による追跡調査を実施。5~7ヵ月後に血管造影を実施。 |
●結果 | 本試験はISAR-SMARTのサブ解析として実施された。 5~7ヵ月後の血管造影を実施された83例(ステント群41例,PTCA群42例)の検討では,再狭窄(≧50%の狭窄)は18例(44%),19例(45%)で両群間に有意差は認められず(p=0.90),重度の再狭窄(≧70%の狭窄)についても同様であった(13例[32%] vs. 12例[29%],p=0.76)。 標的血管血行再建術は,ステント群13例(25%),PTCA群10例(20%)と有意差は認められなかった(p=0.55)。1年後までの死亡またはMI発症は,5例(10%),3例(6%)であった(p=0.50)。 |
●結論 | 糖尿病患者の細い冠血管病変において,ステント植込み術はPTCAに比し有効性は認められず,両群で再狭窄リスクが高かった。 |
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糖尿病トライアルデータベースは2001年にオープンしました。現在までに,1283件のトライアルを収載しています。