編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Tominaga M, Eguchi H, Manaka H, Igarashi K, Kato T, Sekikawa A: Impaired glucose tolerance is a risk factor for cardiovascular disease, but not impaired fasting glucose. The Funagata Diabetes Study. Diabetes Care 1999; 22: 920-924. [PubMed]

ADA基準の新たな区分であるIFGの病的意義はいまだ明らかではない。この研究において,IGTは従来の報告どおり心血管死のリスク因子であったが,IFGはそうではなかった。空腹時血糖検査のみでは心血管疾患の高リスク群を選別することは困難と思われる。【河盛隆造

●目的 耐糖能異常(IGT)が心血管死のリスク因子であることを確認するとともに,空腹時血糖異常(IFG)も心血管死のリスク因子であるか否かを検討した。
●デザイン 疫学,コホート。
●試験期間 追跡期間は1990年6月~1996年12月。登録期間は1990~1992年。
●対象患者 2651例:40歳以上の山形県舟形町住民。登録時に糖尿病が認められた者117例。
除外基準:脳血管疾患,その他の障害。
●方法 死亡証明書を用いて死亡コード,死亡日,死亡地を調査。また,転居記録を調査。
登録時に糖尿病が認められなかった2534例において75gOGTTを実施し,WHO基準(1985年)に基づいて,正常耐糖能(NGT)群2016例,IGT群382例,糖尿病群253例(登録時の糖尿病117例を含む)に分類。またADA(米国糖尿病協会)基準に基づいて,空腹時血糖値により空腹時血糖正常(NFG)群2307例,IFG群155例,糖尿病群189例(登録時の糖尿病117例を含む)に再分類した。
生命表法を用いて累積生存率を算出。また,人・年法およびCox比例ハザードモデルを用いて年齢を補正し,オッズ比およびハザード比を算出。
●結果 心血管死(冠動脈疾患死,脳卒中死)の累積生存率はIGT群0.962,糖尿病群0.954で,いずれもNGT群の0.988に比して有意に低かった(p<0.05)。人・年法を用いた解析では,NGT群(11050人・年,死亡19例)に対する心血管死のオッズ比は,IGT群(2104人・年,死亡11例)で2.303(95%CI[以下同]1.022-5.188),糖尿病群(1366.5人・年,死亡11例)で3.537(1.029-12.159)で,いずれもNGT群との間に有意差が認められた(それぞれp=0.0456,0.0461)。Cox比例ハザードモデルを用いた解析では,NGT群に対する心血管死のハザード比は,IGT群で2.219(1.076-4.577),糖尿病群で2.274(1.069-4.838)で,いずれもNGT群との間に有意差が認められた(それぞれp=0.0309,0.0329)。
一方,IFG群における心血管死の累積生存率は0.977で,NFG群0.985との有意差は認められなかった。また,NFG群(12690人・年,死亡27例)に対するIFG群(832人・年,死亡3例)の心血管死のオッズ比は1.324(0.012-140.91),ハザード比は1.136(0.345-3.734)で,いずれも有意差は認められなかった。
●結論 IGTは心血管死のリスク因子であったが,IFGはリスク因子ではなかった。