編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2020年9月現在,1240報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Al-Delaimy WK, Willett WC, Manson JE, Speizer FE, Hu FB: Smoking and Mortality Among Women With Type 2 Diabetes: The Nurses' Health Study cohort. Diabetes Care 2001; 24: 2043-2048. [PubMed]

2型糖尿病女性の喫煙は,死亡リスクを高めることを示している。しかし,10年以上禁煙している者の死亡リスクは非喫煙者と変わらないことも同時に示された。患者に禁煙を勧める際の有効な根拠となる報告である。【河盛隆造

●目的 2型糖尿病の女性患者における喫煙と死亡の相関を検討した。一次エンドポイントは全死亡。
●デザイン 前向き,コホート。
●試験期間 追跡期間は20年(1976年~1996年6月1日)。
●対象患者 121700例:Nurses' Health Studyに登録された米国在住看護婦。30~55歳。うち2型糖尿病患者7401例(ベースライン時に発症していた者1752例,追跡期間中に発症した者5649例)。
●方法 登録時から2年ごとに質問票を郵送し,病歴およびライフスタイルについて調査。回答が得られない者については,生存状況および死因をNational Death Indexを用いて調査した。
2型糖尿病患者について喫煙状況と死亡(全死亡,心血管死,癌死)の相関を検討し,さらに非糖尿病患者と比較した。
●結果 2型糖尿病患者724例が追跡期間中(67420人・年)に死亡した。多変量解析にて年齢,高血圧およびコレステロール高値の既往,他の心血管リスク因子を補正すると,非喫煙症例(死亡[以下同]329例,33122人・年)に対する全死亡の相対リスク(RR)は,過去の喫煙症例(283例,23599人・年)で1.31(95%CI[以下同]1.11-1.55),現在1~14本/日喫煙症例(28例,3032人・年)で1.43(0.96-2.14),15~34本/日喫煙症例(67例,6257人・年)で1.64(1.24-2.17),35本以上/日喫煙症例(17例,1410人・年)で2.19(1.32-3.65)と,喫煙レベルに伴って上昇した(p for trend=0.0002)。心血管死および癌死のRRについても同様に,喫煙レベルに伴う上昇が認められた(それぞれp for trend=0.0005,<0.0001)。
10年以上前禁煙症例の全死亡リスク上昇は非喫煙症例に比してわずかだが(RR1.11[0.92-1.35]),それ以降の禁煙症例では顕著なリスク上昇が認められた(RR:5~10年1.72,5年未満1.98)。
2型糖尿病患者の年齢補正後の死亡率(100000人・年あたり)は,非喫煙症例に比して35本以上/日喫煙症例で倍増していた(1012 vs. 1984)。非糖尿病患者との比較では,いずれの喫煙レベルにおいても2型糖尿病患者で死亡率が高く,喫煙による全死亡率の上昇(絶対差)は,2型糖尿病患者で765(972-207),非糖尿病患者では271(379-108)であった。
●結論 2型糖尿病を有する女性において,喫煙は用量依存性に死亡率を増加させることが示された。この死亡リスクは禁煙によりかなり低下することから,糖尿病患者には禁煙が強く推奨される。