編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Niskanen L, Hedner T, Hansson L, Lanke J, Niklason A: Reduced Cardiovascular Morbidity and Mortality in Hypertensive Diabetic Patients on First-Line Therapy With an ACE Inhibitor Compared With a Diuretic/beta-Blocker-Based Treatment Regimen: A subanalysis of the Captopril Prevention Project. Diabetes Care 2001; 24: 2091-2096. [PubMed]

本報告は,降圧療法の脳心血管合併症予防効果がACE阻害薬によっても十分に得られることを示した初めての大規模臨床試験であるCAPPPの,糖尿病群におけるサブ解析である。一次エンドポイントについて,全体の解析では両群間の差が認められなかったが,糖尿病群ではcaptoprilが優れていた。また脳卒中は,全体の解析ではcaptopril群で有意に多かったが(これはcaptopril群のベースラインの血圧が高かったとされている),糖尿病群では群間差がなかった。captoprilは利尿薬やβ遮断薬より糖尿病の新規発症を抑制するのみならず,糖尿病群における心血管イベントをも顕著に予防した。【景山 茂

●目的 高血圧患者におけるACE阻害薬captopril治療の心血管疾患発症および心血管死抑制効果を,従来の降圧療法(利尿薬,β遮断薬)と比較検討したCAPPPにおいて,糖尿病患者のアウトカムを評価した。
一次エンドポイントは致死性・非致死性心筋梗塞(MI)および脳卒中,その他の心血管死。二次エンドポイントは虚血性心疾患(IHD)およびうっ血性心不全(CHF)の新規発症または増悪,心房細動,糖尿病,一過性虚血発作,非心血管死。
●デザイン PROBE(Prospective Randomized Open Blinded Endpoint),多施設,intention-to-treat解析。
●試験期間 追跡期間は平均6.1年。
●対象患者 572例:CAPPPの登録患者(25~66歳,非治療時の2回の測定でDBP≧100mmHg)10985人のうち,ベースライン時に糖尿病を有する症例。captopril群309例,従来療法群263例。糖尿病の診断は,WHO基準および2回以上の明らかな空腹時血糖(FBG)値異常。決定的でない場合はOGTTで確認。
除外基準:二次性高血圧,血清クレアチニン>1.7mg/dL,β遮断薬療法の必要な疾患。
●方法 ベースライン時に糖尿病を有した群のサブ解析である。目標血圧(仰臥位DBP≦90mmHg)に達するまで,captopril群では100mg/日(分1または分2)まで増量投与(必要であれば利尿薬を併用),従来療法群では利尿薬またはβ遮断薬のいずれかの至適用量を投与(必要であれば両薬を併用)。目標血圧に達しなければ,両群においてCa拮抗薬を追加投与。
●結果 一次エンドポイントの発生はcaptopril群で有意に減少した(相対リスク[以下同]0.59,p=0.018)。個々のイベントについてみると,心血管死(致死性脳卒中およびMI,突然死,その他の心血管死)はcaptopril群で減少傾向が認められたが(0.48,p=0.084),全脳卒中に関しては群間差はなかった(1.02,p=0.96)。また,全MIはcaptopril群で顕著に減少した(0.34,p=0.002)。さらに,全死亡(0.54,p=0.034)および全心イベント(全MI,その他の心血管死,突然死,IHD,CHF,心房細動:0.67,p=0.029)も,captopril群で有意な減少が認められた。
captoprilの一次エンドポイント抑制効果を各サブグループについて検討したところ,男性(0.47,p=0.004)および血糖コントロール不良症例(FBG値≧146mg/dL:0.49,p=0.033)で明らかな有効性が認められた。
●結論 糖尿病を有する高血圧患者(特に代謝機能障害を有する患者)において,captoprilは利尿薬あるいはβ遮断薬に比べ心血管イベント抑制に有効であることが示された。