編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Brown MJ, Castaigne A, de Leeuw PW, Mancia G, Palmer CR, Rosenthal T, Ruilope LM: Influence of diabetes and type of hypertension on response to antihypertensive treatment. Hypertension 2000; 35: 1038-1042. [PubMed]

最近まで最も多く用いられてきたジヒドロピリジン系Ca拮抗薬のプロトタイプであるnifedipineの徐放製剤の心血管疾患予防というトゥルーエンドポイントは,本研究により初めて示された(Lancet 2000; 356: 366-372. [PubMed])。
本研究では,リスク因子ごとに層別化したうえで無作為割付けを行ったので,各リスク因子の影響を解析できた。糖尿病患者では目標血圧の達成により多くの降圧薬を必要とすることが明らかにされた。2型糖尿病患者を対象とした大規模臨床試験であるUKPDS 38においても,厳格な血圧コントロール群では29%が3種類の降圧薬を用いており,2種類以上の降圧薬を必要とした症例は約60%であった。これらの成績は,糖尿病を伴った高血圧の厳格なコントロールには,多くの場合,複数の降圧薬が必要であることを示している。【景山 茂

●目的 高血圧以外のリスク因子や高血圧のタイプ(拡張期高血圧あるいは収縮期高血圧)が,降圧治療に応答する血圧値に及ぼす影響を検討した。
●デザイン 無作為,二重盲検,多施設。
●試験期間 追跡期間は18週間。
●対象患者 5669例:欧州の9ヵ国から選出された高血圧以外の心血管疾患リスク因子を有する高血圧患者。糖尿病患者1139例,非糖尿病患者4530例。2~4週間のプラセボ投与後,SBP>150mmHgおよびDBP>95mmHg,あるいはSBP>160mmHgおよびDBP<95mmHg。55~80歳。
●方法 患者を,Ca拮抗薬nifedipine(30mg/日)投与群,あるいは利尿薬hydrochlorothiazide 25mgとamiloride 2.5mgの合剤(1錠/日)投与群に割付け。治療目標は,血圧値140/90mmHgおよび/あるいは降圧値20/10mmHg。必要に応じて,試験開始2週間後から各薬剤投与量の倍増を,4~8週間後からβ遮断薬atenolol 25~50mgあるいはACE阻害薬enalapril 5~10mg(β遮断薬が禁忌の場合)の追加投与を,12週間後から利尿薬あるいはCa拮抗薬以外の薬剤の追加投与を行った。追加投与薬剤はオープンラベルとした。
●結果 18週間後の血圧値は,プラセボ投与後の172±15/99±9mmHg(平均値±SD)から139±12/82±7mmHgまで降圧。
糖尿病患者が最も治療困難で,非糖尿病患者と比較して,2種類の薬剤を要した患者の割合は40%高く(38.4 vs. 27.6%,p<0.001),3種類の薬剤を要した患者の割合は100%高かった(6.58 vs. 3.13%,p<0.001)。また,すべてのリスク群と比較して最終血圧値が高く,141±13/82±8mmHgであった。
年齢,性別,高コレステロール血症,左室肥大,アテローム性動脈硬化による血圧値への影響はほとんど認められないか(<1mmHg)全くなかったが,喫煙以外の因子はわずかに血圧応答を遅延させた。収縮期高血圧患者では,治療に対する応答性が平均よりわずかに高い傾向があった。
●結論 高血圧以外に少なくとも1つの心血管疾患のリスク因子を有する患者では,リスク因子自体は目標血圧値の達成に影響を及ぼさなかった。糖尿病患者では,ほかのリスクを有する患者よりも目標血圧達成までにより多くの降圧薬を必要とした。