編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2022年8月現在,1286報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Tuomilehto J, Rastenyte D, Birkenhager WH, Thijs L, Antikainen R, Bulpitt CJ, Fletcher AE, Forette F, Goldhaber A, Palatini P, Sarti C, Fagard R: Effects of calcium-channel blockade in older patients with diabetes and systolic hypertension. Systolic Hypertension in Europe Trial Investigators. N Engl J Med 1999; 340: 677-684. [PubMed]

Ca拮抗薬は心血管イベントの抑制というtrue endpointの証明なしに広範に使用されてきた。Syst-Eurはプラセボ対照二重盲検比較試験によりCa拮抗薬の有用性をtrue endpointにより初めて証明した。本報告はその糖尿病群についてのサブ解析である。サブ解析であること,また高齢者の収縮期高血圧という条件付きではあるが,nitrendipineは糖尿病を伴った高血圧において,非糖尿病群よりも心血管イベントの抑制効果が顕著であることを示した。【景山 茂

●目的 Syst-Eur[下部NOTE参照]の糖尿病患者について,Ca拮抗薬nitrendipineでの降圧治療による心血管イベントリスク抑制効果を,非糖尿病患者と比較分析した。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検。
●試験期間 追跡期間は2年(中央値)。
●対象患者 4695例(糖尿病492例,非糖尿病4203例):SBP 160~219mmHg,DBP<95mmHg。60歳以上。糖尿病患者は血糖コントロールが十分な症例のみとし,WHO基準(糖尿病歴,糖尿病治療薬の服用,空腹時あるいは非空腹時の血糖値が140~200mg/dL)に依った。
●方法 患者をnitrendipine群とプラセボ群に割付け。nitrendipine(10~40mg/日)で降圧不十分な場合はACE阻害薬enalapril(5~20mg/日)か,利尿薬hydrochlorothiazide(12.5~25mg/日)か,もしくは両剤を追加あるいは代用した。
●結果 血圧は糖尿病群も非糖尿病群も同程度に低下したが,実薬とプラセボの降圧の差は,糖尿病群で8.6/3.9(SBP/DBP mmHg),非糖尿病群で10.3/4.5であった。また,糖尿病・実薬群で全死亡率が55%(45.1/1000人・年から26.4/1000人・年),心血管死は76%,心血管イベントは69%,全脳卒中は73%,全心イベントは63%,低下した。
●結論 nitrendipineをベースとした降圧療法は,糖尿病を併発した高齢者収縮期高血圧患者で特に有効であった。よってこの結果は,長時間作用型Ca拮抗薬の使用が糖尿病患者に有害である可能性があるとする説を支持するものではない。