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Abbott RD, Donahue RP, MacMahon SW, Reed DM, Yano K: Diabetes and the risk of stroke. The Honolulu Heart Program. JAMA 1987; 257: 949-952. [PubMed]
糖尿病と診断のつかない耐糖能障害も,脳血栓塞栓症の独立したリスク因子となることが示された。【高木三貴】
●目的 | 日系人男性の心血管疾患の進展を追跡調査したHonolulu Heart Program(1965年~)で,糖尿病における脳卒中のリスクを検討した。 |
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●デザイン | 疫学,前向き,コホート。 |
●試験期間 | 追跡期間は12年。 |
●対象患者 | 7598例(糖尿病患者690例,平均年齢55.6歳。非糖尿病患者6908例,平均年齢54.2歳)。ハワイ在住の日系人男性。冠動脈心疾患や脳卒中の既往のある症例は除外した。 |
●方法 | 糖尿病患者と非糖尿病患者の2群に分け,脳卒中の発症をそれぞれ追跡し,脳血栓塞栓,脳出血のリスク因子(年齢,BMI,高血圧,コレステロール,トリグリセリド,喫煙,アルコール)を調査した。さらに,非糖尿病群では50g OGTT1時間後の血糖値および食後尿糖の有無を調べた。 |
●結果 | 糖尿病患者1000例に対し62.3例が,非糖尿病患者1000例に対し32.7例が脳卒中を発症した。糖尿病群の非糖尿病群と比較した脳血栓塞栓の相対リスクは2.0(95%CI 1.4-3.0)であった。非糖尿病群において,血糖値が80パーセンタイルの患者は20パーセンタイルの患者と比較して(199 vs. 115mg/dL),脳血栓塞栓の相対リスクが1.4(95%CI 1.1-1.8)であった。また,非糖尿病患者における尿糖陽性患者は尿糖陰性患者と比較して,脳血栓塞栓の相対リスクが2.7(95%CI 1.6-4.5)であった。糖尿病または耐糖能低下の程度と,脳出血の間には関係がみられなかった。 |
●結論 | 糖尿病は,たとえ診断のついていない高血糖であっても,高血圧,心筋梗塞および他の動脈硬化リスク因子などとは独立した脳卒中のリスク因子である。 |
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