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Morrish NJ, Stevens LK, Head J, Fuller JH, Jarrett RJ, Keen H: A prospective study of mortality among middle-aged diabetic patients (the London Cohort of the WHO Multinational Study of Vascular Disease in Diabetics) II: Associated risk factors. Diabetologia 1990; 33: 542-548. [PubMed]

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●目的 糖尿病患者における潜在的リスク因子と死亡の関連を検討した。
●デザイン 疫学,コホート。
●試験期間 追跡期間は10~12年。
●対象患者 WHO MSVDDのロンドンの集団。1型糖尿病240例,2型糖尿病246例。35~54歳。
●方法 初回受診時に糖尿病の罹病期間,治療法,合併症について質問票に記入させ,喫煙習慣や投薬についてWHO心血管系質問票を用いて調査した。心電図,血液検査(血漿クレアチニン,血清コレステロール),尿蛋白,血圧測定を行い,最長12年間追跡調査した。
●結果 対象集団(497例)において,1987年7月31日時点で92例が死亡していた。一変量解析では,2型糖尿病の男女と1型糖尿病の女性で,蛋白尿が全死亡と最も高い正の相関を示した。SBP高値(男性)と高血圧(男女)の合併が1型糖尿病で有意であった。心電図異常は,1型糖尿病の女性で全死亡と有意に相関していた。血清コレステロール値は,2型糖尿病の女性で全死亡と有意に相関していた。多変量解析では,1型糖尿病の男女で高血圧が全死亡と有意な相関関係を有しており,2型糖尿病の女性においては蛋白尿が相関していた。2型糖尿病の男性では,血漿クレアチニン値と全死亡に予期せぬ負の相関が認められた。SBP高値と高血圧も1型糖尿病の心血管死亡と有意な相関を示しており,多変量解析では,高血圧は推定相対リスクが4.6(補正後)であった。血清コレステロール,喫煙,BMIおよび蛋白尿は,2型糖尿病で心血管死亡と有意に相関を示した。1型,2型いずれの糖尿病でも,蛋白尿が一変量解析で心血管系以外の死亡率と相関を示した。多変量解析では,高血圧(1型糖尿病)と糖尿病の罹病期間(2型糖尿病)が,心血管系以外の死亡率と相関を示した。死亡に関連する因子として高血圧と蛋白尿は互いに独立していると考えられた。
●結論 高血圧と蛋白尿が最も一貫して死亡率と高い相関を示した。高血圧は1型糖尿病で,蛋白尿は2型糖尿病で死亡率に影響が大きいと思われる。