編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Jarrett RJ, Shipley MJ: Type 2 (non-insulin-dependent) diabetes mellitus and cardiovascular disease--putative association via common antecedents; further evidence from the Whitehall Study. Diabetologia 1988; 31: 737-740. [PubMed]

現在のようにSyndrome Xやインスリン抵抗性症候群という言葉が存在する前に,2型糖尿病と冠疾患の関係を明らかにした貴重な観察研究である。【景山 茂

●目的 2型糖尿病患者における死亡率を15年間追跡,研究した。
●デザイン コホート研究。
●試験期間 追跡期間は15年。1967~69年:呼吸循環系のスクリーニング,1968~1970年:組込み。
●対象患者 18403人:ロンドンの男性公務員。40~64歳。非糖尿病者のみ,50gブドウ糖負荷試験が行われ,2時間値11.0mmol/L以上を糖尿病とし,新規発症糖尿病と診断した。
●方法 対象を以下4群に分け,全死亡,冠動脈心疾患および心血管死を調査した。正常血糖群17051例(血糖分布の1~95 centile,2時間値<5.4mmol/L),耐糖能異常群999例(96~100 centile),新規診断糖尿病群56例,および既診断糖尿病群121例。
●結果 年齢で補正した死亡の相対リスクは新規診断糖尿病群で最も高く,耐糖能異常群と既診断糖尿病群でも増加していた。しかし,糖尿病の罹病期間を2年以下,3~6年,7年以上の3群に分けると,死亡と罹病期間との間に線型性はなかった。他のリスク因子(年齢,SBP,血清コレステロール,喫煙,作業強度,心電図異常)で補正すると,相対リスクは新規診断糖尿病群と既診断糖尿病群では近似していた。全糖尿病症例をまとめて,罹病期間5年未満,5~9年,10~14年,15~19年,20年以上に分類すると,補正相対リスクは糖尿病の罹病期間と線型性の関係にはなかった。
●結論 他の研究同様,罹病期間がリスクに影響していないということは,2型糖尿病と冠動脈心疾患に共通した,おそらく遺伝的な要因の存在を示唆している。