編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2022年8月現在,1286報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Ravid M, Lang R, Rachmani R, Lishner M: Long-term renoprotective effect of angiotensin-converting enzyme inhibition in non-insulin-dependent diabetes mellitus. A 7-year follow- up study. Arch Intern Med 1996; 156: 286-289. [PubMed]

-

●目的 腎障害の進行したNIDDM患者におけるACE阻害薬enalaprilの長期治療効果を検討した。
●デザイン 無作為,二重盲検(第1期)/オープン(第2期),プラセボ対照。
●試験期間 第1期:5年。第2期:2年。
●対象患者 第1期:108例。正常血圧,正常腎機能のNIDDM患者。血清クレアチニン(Cr)値<1.4mg/dL,微量アルブミン尿(30~300mg/24時間)。平均年齢44±4歳(34~49歳),平均糖尿病罹病期間6.7±1.6年(0.5~9.1年)。第2期:94例。試験の第1期を完了した患者。
●方法 第1期:enalapril群(10mg/日),プラセボ群に割付け。
第2期:第1期完了の患者(enalapril群49例,プラセボ群45例)に試験結果および各自の腎障害の予後を説明後,患者の選択により次の4群に分類。1群(33例:enalapril群で投薬継続を選択した患者),2群(16例:enalapril群で投薬中止を希望した患者),3群(24例:プラセボ群でenalapril使用に同意した患者),4群(21例:プラセボ群でenalapril使用を拒否した患者)。
●結果 enalapril治療を続けた患者では,7年間の血清Cr値およびアルブミン尿に変化はなかった。非治療患者では,アルブミン尿が平均123±58mg/24時間から5年後には310±167に,7年後には393±223に増加した。2群では,血清Cr値およびアルブミン尿の漸増がみられ,7年後のアルブミン尿は5年後に比し,また1群に比し有意に高かった(p<0.05)。3群では,血清Cr値およびアルブミン尿の著しい安定がみられた。4群では,7年後の血清Cr値およびアルブミン尿は5年後に比し,また3群に比し有意に高かった(p<0.05)。1/Crを7年間にわたりプロットすると,enalapril治療を受けた患者では変化しなかったが,非治療患者では前値に比べると5年後に平均13%,7年後に16%低下した。enalaprilは,微量アルブミン尿からマクロアルブミン尿への進展の絶対リスクを7年間で42%低下させた(95%CI 15~69%,p<0.001)。グリコヘモグロビン,BMI,血圧は各群で変化しなかった。
●結論 ACE阻害薬は,微量アルブミン尿のある正常血圧のNIDDM患者における腎障害の進展を長期に予防し,治療開始の遅れにより腎機能の障害をきたした患者に対しても,その機能を安定させる。治療の中止は腎障害の新たな進展をもたらす。